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2020年03月31日公開

うつ病患者さんの社会復帰へのアプローチうつ病患者さんの社会復帰へのアプローチ

02 社会復帰を考える上で適した薬物療法とリワークプログラムの活用02 社会復帰を考える上で適した薬物療法とリワークプログラムの活用

【監修】
名古屋大学大学院医学系研究科
精神医学・精神生物学・発達老年精神医学・親と子どもの心療学・精神医療学(寄附講座)
教授尾崎 紀夫先生

社会復帰・職場復帰
までの道のり

うつ病の治療のゴールは患者さんが本来の生活に戻れることです。うつ病患者さんの社会復帰を成功させるためには、患者さんと共に焦らず、急がず治療に取り組むと共に、回復時期に応じた取り組みが必要です。
今回は、こうしたうつ病患者さんの社会復帰を考える上で適した薬物療法と、特に職場復帰に関するリハビリテーションのひとつであるリワークプログラムの活用について紹介します。

社会復帰に望ましい薬剤選択とは?

うつ病患者さんでは、症状レベルで寛解を得ても、機能レベルでの回復は容易には達成できないとされています1)その背景には複合的な要因が影響していると想定されることから、臨床では、社会機能の改善を目標とした包括的な介入が必要となります。使用薬剤の選択においてもこのことを意識する必要がありますし、さらにうつ病治療で重要となる再発予防の観点から、長期の服薬継続が必要となる向精神薬について、認知機能を含む社会生活への悪影響を最小限にする配慮が必要です1)

  • 1)宮田明美他. 臨床精神薬理 20(3): 277-282, 2017
まず、うつ病の薬物療法の主体となる抗うつ薬についてですが、社会機能のひとつである労働遂行力への影響が、各薬剤によって異なる可能性が示唆されています。Tollefsonらはうつ病治療に用いられる抗うつ薬の違いにおける欠勤状態、absenteeism(休業により労働生産性が低下した状態)の割合を比較した結果、うつ病未治療群では45%、三環系抗うつ薬群では44%、フルオキセチン群では26%であり、フルオキセチン群で三環系抗うつ薬群に比べて労働者の欠勤日数が有意に減少しました(p=0.001、多重ロジスティック回帰分析)2)
  • 2)Tollefson GD, et al. Int Clin Psychopharmacol 8(4): 281-293, 1993

また、Stamouliらの報告では、外来うつ病患者にレクサプロを投与することでCGI-Sによる症状を含む重症度に加え、SDS(シーハン障害尺度)による仕事/学業、社会生活、家庭生活の機能障害にも影響を及ぼす可能性が示唆されました3)本試験において、主要評価項目であるレクサプロ投与3ヵ月後のベースラインからのCGI-Sの変化量は、有意な低下が認められました(p<0.001 vs ベースライン、反復測定分散分析[Hotelling検定統計量])3)また、重症度別に見ると軽度の患者群であっても、ベースラインからのCGI-Sの変化量は-1.05でした3)

  • 3)Stamouli SS, et al. Expert Opin Pharmacother 10(6):937-945, 2009

さらに、仕事/学業、社会生活、家庭生活のいずれのSDSスコアについても、3点以下の「軽度」となった患者がいずれも約8割に達しました3)なお、本試験中に有害事象を自発報告した患者は702例(14.3%)でした。投与中止に至った主な有害事象は、興奮/不安29例(35.8%)、めまい/頭痛24例(29.6%)、吐気23例(28.4%)、疲労9例(11.0%)などでした3)重大な有害事象(併用薬の過剰摂取による自殺未遂)が1例に報告されました3)

  • 3)Stamouli SS, et al. Expert Opin Pharmacother 10(6):937-945, 2009

社会復帰を見据えたうつ病治療では、抗うつ薬の効果である症状改善だけでなく、その副作用である日中の眠気や、注意力・集中力への影響、さらに自動車運転などに対する影響などの観点からも評価することが大切だと考えます1)
特に、わが国では、大都市を除いては通勤や業務などで自動車運転を必要とする患者さんが多いため、運転ができなくなるような治療の選択肢は、患者さんの社会復帰を損なう要因になる可能性が考えられます1)目の前の患者さんが社会復帰を含む日常生活のために運転を必要としていないかの確認とともに、診察時に運転できる状態に達しているかどうかを判断し、使用する薬剤を十分に検討・選択することが求められます。

  • 1)宮田明美他. 臨床精神薬理 20(3): 277-282, 2017

社会復帰のためのリワークプログラムの活用

治療により、うつ病の症状が改善した患者さんは、寛解維持および再発予防のために薬物療法の継続と並行して、社会復帰のためのリハビリを考慮する時期になります。この期間は職場復帰を考える患者さんでは、必要に応じてリワークプログラムの活用を検討してみるとよいでしょう。
「リワーク」とは、return to workの略語です。気分障害などの精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムです4)

  • 4)日本うつ病リワーク協会.リワークプログラムについて.
    http://www.utsu-rework.org/rework/

リワークプログラムは医療機関のほか、地域の障害者職業センター、そして各企業などで行われ、それぞれ目的と内容が異なります5)患者さんの治療段階と目的に応じて使い分ける必要があります5)
ここでは医療機関で実施される医療リワークを概説します。一般にプログラムは3段階に分かれ、第1段階で規則正しい生活リズムと病状を安定させるアプローチ、第2段階で集団への馴染みと疾病心理教育、第3段階で行動療法に基づく集団プログラムがそれぞれ実施されます5)

  • 5)五十嵐良雄. 日本労働研究雑誌 2018年6月号(6): 62-70, 2018.
    https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2018/06/pdf/062-070.pdf

特に、職場の人間関係や仕事上のストレスが発症や症状悪化に関係し、職場復帰に対する困難さや復帰後の再発が予測される患者さんでは、症状の改善だけでなく、日常リズムの改善と安定化、作業能力の回復、対人ストレスへの対応力向上なども意識して治療を行い、場合に応じて心理教育や精神療法をする必要があります。そのため、治療と並行してリワークプログラムを取り入れ、患者さんの対人ストレスへの対応力を向上すると共に、課題達成による自己肯定感の向上を図ることで、職場復帰とその後の就労継続に有効となる可能性があります6)

  • 6)尾崎紀夫.精神神経学雑誌 112;10:1048-1055, 2010.
    https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1120101048.pdf

リワークプログラムの効果

実際、厚生労働省の「うつ病患者に対する社会復帰プログラムに関する研究」では、気分障害による休職を経て復職した患者さんのうち、リワークプログラムを利用した患者さんの就労継続性は、リワークプログラムを利用しなかった患者さんに比べて有意に高いことが報告されました(p=0.009、Log-rank検定)。リワークプログラム利用者に対して利用しないことによる再休職のハザード比が2.871(95%信頼区間 1.302-6.331、p=0.009)という結果でした7)
このように、リワークプログラムに参加することで、職場復帰したうつ病患者さんの就労継続期間が延長する可能性が示唆されており、臨床において今後の検討課題となっています。

  • 7)厚生労働省障害対策総合研究事業. うつ病患者に対する復職支援体制の確立 うつ病患者に対する社会復帰プログラムに関する研究(平成24年度)(厚生労働省)
    http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201224078A#selectHokoku(2019年6月26日利用)

うつ病の社会復帰・職場復帰は1段階ずつ着実に

うつ病患者さんの症状が改善して回復に到達することは容易ではないため、
再発リスクが低くなり、社会機能が回復するまで、抗うつ薬治療は十分な期間、継続することが大切です。
そして、治療開始時だけでなく、治療の途中にも折に触れ、患者さんご本人およびそのご家族と、
今後の治療経過の見込みと治療目標について十分に話し合い、
合意の上で治療に取り組んで頂くことが大切です。

うつ病治療のゴールは、患者さんが本来の生活に戻れることです。
患者さんの社会復帰を考える際に、
薬物療法の選択やリワークプログラムの活用など、
本日お伝えした内容が参考になれば幸いです。

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