[座談会]日光角化症の現状と最新治療 −イミキモド5%クリームの臨床的有用性と位置付け

フィールド内の潜在病変もあぶり出すイミキモド5%クリーム

五十嵐 続けて,竹之内先生からAKの治療アルゴリズムについてご紹介いただけませんか。

竹之内 AKでは,病変部と周辺部(フィールド)に対する治療を分けて考えています(図1)。単発性病変では,切除縫縮可能なサイズであれば確定診断も兼ねて切除しますが,微小病変あるいは潜在病変が存在していることやフィールド内の進展再発を考慮して切除1カ月後からイミキモド5%クリームを塗布します。4週間のコース1終了後,light upと呼ばれる局所皮膚反応がなければそのまま経過観察に,light upがあればコース2に進んでさらに4週間塗布して経過観察となります。単発性で切除縫縮不可能なサイズ,あるいは多発性の病変では,最初からイミキモド5%クリームを病変部およびフィールドに塗布し,コース1終了後にlight upや顕在病変の炎症反応がある場合はコース2まで進み,完全消退すれば経過観察,最終的に病変が残存した場合やコース1終了後に何も反応がなかった場合は凍結など他の治療法を選択します。

(提供:竹之内辰也氏)

五十嵐 light upとはどのようなものですか。

竹之内 長期間紫外線に曝露された表皮ケラチノサイトには多彩な遺伝子異常が見られることから,臨床的に明らかなAK病変の周囲には,肉眼的に認識できないAKの微小病変や早期病変が多数存在する可能性があります。そこで,イミキモド5%クリームを塗布して,潜在病変が新たな炎症反応部位として顕在化する現象を“light up”と呼び,“あぶり出し効果”“highlight effect”ともいわれています(図2)。

(斎田俊明: 日光角化症. 日光角化症・皮膚癌カラーアトラス, 斎田俊明編, メディカルレビュー社, 2012, pp12-39)
(写真提供:竹之内辰也氏)

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