[座談会]日光角化症の現状と最新治療 −イミキモド5%クリームの臨床的有用性と位置付け

イミキモド5%クリームのメリット

五十嵐 イミキモド5%クリームの特徴を確認しますと,外科的療法に比較して「低侵襲性で痛みが少なく瘢痕も残りにくい」,「多発型の治療に優れている」,「特別な機器・手術技量が不要」,「再発率が低い」などのメリットがある一方で,「治療期間が長い」,「完全消失率が低い」,「適応部位が顔面・禿頭部に限定される」というデメリットがあります。これらを踏まえ,他のAKの治療法との比較をまとめると,イミキモド5%クリームは病変の大きさや個数にかかわらず使用可能であり,1年後消失維持率が73%と外科的切除以外では最も高く,何よりも瘢痕が残りにくい優れた治療法だと考えられます(表3)。

(斎田俊明. Skin Cancer 2010; 25: 214-231より一部改変)

安元 イミキモド5%クリームの使用に際しては,1日1回,週3回という変則的な塗布方法であること,塗布後に炎症反応で局所が赤くなるのは不可避であることを,患者にきちんと理解してもらうことが重要です。

五十嵐 私は,写真(図3)のように10年前に出現した前額部の角化性紅斑が隆起性病変となっている91歳の女性患者に対し,高齢であることと病変範囲が広いことを考慮して,まずイミキモド5%クリームを塗布し,中央部が治癒しなければレーザー焼灼もしくは外科的切除とする方針で治療開始したところ,コース2終了から1カ月後には隆起性病変が消失したという経験をしました。ケースバイケースではありますが,イミキモド5%クリームはこのような病変にも効果が期待できます。

(提供:五十嵐敦之氏)

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