[座談会]日光角化症の現状と最新治療 −イミキモド5%クリームの臨床的有用性と位置付け

病診連携で,開業医もAKの治療に参加を

五十嵐 AK患者数の増加に対応するためにも,開業医の先生方にも診断・治療に携わっていただくことが求められていると思います。安元先生はAKをどのように診断・治療されていますか。

安元 患者に治療の必要性を納得してもらうためにも,生検による確定診断が必要と考え,当院ではパンチを用いた皮膚生検を行っています。この方法だと直径3〜4mmの小さな材料で診断が可能で,顔面に瘢痕がほとんど残りませんし,外来診療の合間にも短時間で実施できます。

五十嵐 診断の結果,基幹病院へ紹介することになるのは,どのような場合でしょうか。

安元 ①真皮内浸潤が疑われるAK病変が認められた場合,②AK病変の周囲にSCCや基底細胞がん(BCC)など他の皮膚悪性腫瘍が認められた場合,また,③病診連携を考えた上で,AKの確定診断のための生検と病理検査が基幹病院で必要な場合です(表4)。3番目は,合併症や内服薬の関係でクリニックでの生検実施が難しい症例については確定診断は基幹病院でお願いし,外用治療は自施設で行うという病診連携の形を取っています。

(提供:安元慎一郎氏)

五十嵐 基幹病院にとっては多数の患者を抱え込むことなく,患者は通院の負担を軽減できますね。竹之内先生はどうお考えですか。

竹之内 当院でも,例えば先述のコンビネーション治療であれば,外科的切除後,イミキモド5%クリーム治療コース1の途中まではこちらで経過を観察し,その後は紹介元の地域の先生にお任せしている症例があります。

安元 開業医の多くは,イミキモド5%クリームの使用経験が少ないため,炎症反応で治療部位が赤くなることについて患者を納得させるのが難しいことがあります。基幹病院でイミキモド5%クリーム治療を開始して,患者も慣れたところで開業医が引き継げば,スムーズに治療を継続できるでしょう。

五十嵐 AKに造詣の深い先生から,病診連携の重要性,イミキモド5%クリーム外用療法の有用性に関するお話を伺いました。本日は有意義なお話をありがとうございました。

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