
私が2013年から院長を務めるイムス富士見総合病院は、1都6県1道に約1万2千床のベッドと約2万人の職員を有するIMSグループに所属しています。当院は、地域に密着した急性期総合病院として、専門的で質の高い医療を提供しており、小児医療や周産期医療、24時間体制の救急・小児救急医療も行っています。また、医療と介護の連携を重視し、在宅支援にも積極的に取り組んでいます。
私がプログラミングを学ぼうと思ったきっかけは、日報の作成に担当者が非常に多くの労力を費やしていると知ったことです。担当者は各部署から台帳やメモを集め、手作業で日報を作成していました。その後も部署とのやり取りが続き、修正を重ねて確定するまでに数日かかる状況でした。これを改善できないかと考えるようになりました。
そこで、エクセルの入門書を購入し、見よう見まねでアプリを作成してみました。各部署が必要なデータをシートに入力し、そのデータを集計して日報を自動で作成できる仕組みです。
しかし、この仕組みは使ってもらえませんでした。担当者にとっては、これまでの業務のやり方を変えることへの抵抗感や、素人の私が作った仕組みへの懐疑的な気持ちがあったのだと思います。仕方がないと感じました。
それから、業務改善はあまり進まないまま数年が経過しました。そんな中、Google Workspace※1のアプリであるスプレッドシートやGメールに、機能拡張や自動化を実現できるJavaScriptベースのプログラミング言語(Google Apps Script)があることを知りました。今度こそ、きちんと知識を身につけて、皆が使いやすい仕組みを作り、業務改善に取り組もうと考えました。
2019年5月、Google Apps Scriptの学習書※2を出版されている方が主催する『ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会』(ノンプロ研)という学習コミュニティに参加することにしました。
※1Gmail、Googleドライブ、カレンダー、ドキュメント、スプレッドシート、翻訳など、Google社が提供するサービスの総称
※2高橋宣成著「詳解!Google Apps Script完全入門[第3版]」(株式会社秀和システム) 2021
