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多領域、多職種からのアプローチ 慢性便秘

2020年3月10日公開(2021年10月1日デザイン改訂)

脳神経内海の視点から のうし内科学脳神経内科医の視点からの慢性便秘ケア

東邦大学医療センター
佐倉病院
内科学脳神経内科

榊原 隆次先生

榊原 隆次 先生

本記事の内容は2019年11月時点の情報に基づく

脳神経内科領域で多い便秘と消化管救急

脳神経内科で便秘症に気を付けなければならない疾患として、パーキンソン病(PD)とレヴィー小体型認知症(DLB)が挙げられるのではないでしょうか。
PDは一般人口1,000人中1人程にみられ、脳神経内科で多い疾患です。一方、人口高齢化を受け、認知症が話題となっています。認知症は、80歳台の3人中1人にみられるともいわれます。当大学病院では、脳神経内科と精神科の2科が認知症の窓口となり、認知症疾患医療センターを一緒に運営し、地域患者さんの受け入れを行っています。認知症の原因となる変性疾患は、アルツハイマー病が最も多く、次にDLB(PDが大脳に広がった病気といわれます)が多くみられます。さらに、生活習慣病であるかくれ脳梗塞が、重なってみられることが少なくありません。DLBは、認知症5人中1人にみられるともいわれ、決して稀な病気でありません。本疾患では、大人の寝言(夜中にわーっと大きな声を出すなど、レム睡眠行動異常ともいわれます)が特徴的にみられます。
PD/DLBでは、便秘が高頻度(8割程度)にみられ、排便回数が週に1-2回に低下し、排便時の困難感がみられます。これらの患者さんに排便機能検査(図1, 2)を行いますと、以下に述べるAとBがしばしば同時にみられます。
  • A. 大腸通過時間の延長:正常では39時間が上限ですが、しばしば60-120時間と異常延長がみられます。これを輸送遅延型便秘といいます。
  • B. 排便時の蠕動運動の低下/消失・腹圧の低下・肛門の弛緩不全(アニスムス)・残便。これらを直腸肛門型便秘といいます。
そのメカニズムは、PD/DLBが全身疾患であり、腸管壁内神経叢に「レヴィー小体」がみられるためと考えられており、一部、脳幹・基底核などの脳病変もかかわると考えられています。これらは、PD/DLBの初期からみられます。
すなわち、PD/DLBの便秘は疾患の一部であり、便秘のみで発症したり、パーキンソン病治療薬の吸収にも影響することが最近知られるようになってきました。PD/DLBは、ときに巨大結腸などの高度な便秘をきたすことがあり、また、消化管救急としてイレウス(腸閉塞)/腸捻転/腸重積/宿便潰瘍をきたす場合もあります。このため、生活の質(QOL)の改善だけでなく、緊急を要する状態を予防することが重要です。
図1 大腸通過時間検査
(colonic transit time)~健常人の例.
大腸通過時間検査(colonic transit time)~健常人の例.
+
文献1より
図2 直腸肛門ビデオマノメトリー検査 (rectoanal videomanometry) ~健常人の例.
大腸通過時間検査(colonic transit time)~健常人の例.
+
文献1より
●●●

PD/DLBの便秘は、パーキンソン病治療薬で軽度の改善がみられる場合があります。改善が十分に得られないときは、治療ケアとして、食物繊維の摂取、運動、便座の工夫などをまず行います。次に、輸送遅延型便秘の治療薬として、便軟化・膨化作用のある薬剤をまず試みます。十分な改善が得られないときには、腸運動促進作用のある薬剤などを追加します。これらの中には腸管壁の伸展等を介して/直接刺激作用により、腸運動を高めることが知られている薬剤もあります。直腸肛門型便秘の治療薬として、排便反射を促す目的でlecithin/炭酸座薬などを使用します。

消化管運動賦活薬や一部の漢方薬でも排便時の直腸収縮の増強効果がみられます。アニスムスに対して、本邦ではまだ保険適応がありませんが、欧米ではボツリヌス毒素注射が有効と報告されています3脊髄障害による高度便秘に対して、洗腸療法も有効です。PD/DLBにみられる便失禁は、高度便秘に伴う溢流性が多いように思われます。神経疾患による便失禁に対するニューロモジュレーション(肛門のペースメーカーとも呼ばれます)は、脊髄障害、仙骨形成不全などで試みられています。

  • PD/DLBでは便秘は高頻度(8割程度)で、輸送遅延型便秘と直腸肛門型便秘がしばしば同時にみられる
  • 適切な便秘の対処法があるので、緊急を要する状態を予防する面からも、積極的な介入が望まれる

文献

  • 1榊原隆次: 自律神経. 53: 218-221, 2016
  • 2榊原隆次ほか.: 神経・精神疾患による消化管障害ベッドサイドマニュアル. 1-10, 中外医学社, 2019
  • 3Cunha J, et al.: Revista Portuguesa de Coloproctologia. 15(1): 59-63, 2018
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