持田製薬株式会社

医療関係者向けサイト

持田製薬株式会社

医療関係者向けサイト

ご利用の注意

・このサイトに掲載している情報は、弊社医療用医薬品を適正にご使用いただくためのものであり、広告を目的とするものではありません。

・日本国内の医療関係者(医師、薬剤師等)を対象としております。
 国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承ください。

・このサイトで提供している以外の弊社医療用医薬品の情報をお求めの方は、弊社MR、またはくすり相談窓口までお問い合わせください。

会員限定コンテンツのご利用について

会員限定コンテンツのご利用には
medパスIDが必要となります。

会員登録されていない方

対象の職種をお選びください。
会員限定コンテンツ以外を
ご利用いただけます。

医療関係者ではない方(コーポレートサイトへ

WEB講演会移行についてのご案内

平素より持田製薬ネットフォーラムをご利用いただき誠にありがとうございます。

この度、ログインシステムとして新たに「medパス」を導入いたしました。
2022年4月1日以降、現アカウントではご利用いただけなくなります。

※medパス未登録の方は、「medパスに新規登録」のうえ、ご視聴をお願いいたします。
※medパス登録済の方は、「medパスでログイン」のうえ、ご視聴をお願いいたします。

多領域、多職種からのアプローチ 慢性便秘

2019年11月19日公開(2021年10月1日デザイン改訂)

栄養管理士の視点から 慢性便秘における食事療法

独立行政法人 地域医療機能推進機構
東京城東病院 栄養管理室

柿崎 祥子先生

柿崎 祥子 先生

本記事の内容は2019年9月時点の情報に基づく

慢性便秘マネジメントにおける栄養アセスメント

適切な排便コントロールを行うポイントは①便のかさを増やす②便を軟らかくする③腸の蠕動運動を促進する、の3点であると考えられます。これらを解決するには、十分な水分および食物繊維の摂取、乳酸菌やマグネシウムなど排便を促す効果のある栄養素を補うことが必要です。しかし、慢性便秘を訴える患者さん、特に高齢者では食事全体量および水分摂取量が少なく、活動量の低下があるため上記栄養素の推奨量を満たすことが困難になることから、患者さんの現在の食事内容、摂取量を確認し、疾患・身体状況を考慮しながら補給するのが望ましいと考えます。

食事摂取のアセスメント

食事摂取をアセスメントするためには、現在食べている食事の特徴を知っておく必要があります。「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」の食物繊維やマグネシウムの推奨量からみると1当院病院食を全量摂取していても不足傾向となります(図1)。全粥食をはじめとした軟菜食や咀嚼・嚥下困難食などにおいては、水分量は増加するものの、食物繊維や他の栄養素はさらに提供量が少なくなっています。病院給食ではコストや献立の展開上、使用する食品の幅が狭くなりがちですので、どうしても微量元素や食物繊維まで充足させることが難しくなります。施設によって前後はありますが、食事を全量摂取しているからといって排便を促す十分な栄養量が必ずしも摂れているわけではないことを理解しておく必要があります。乳酸菌は、ヨーグルトなどの乳製品や乳酸菌飲料を毎日継続して摂取しているか確認します。
さらに、食事以外の飲水をどの程度とっているかの確認が必要です。大まかとなりますが、普通に食事をとっている場合でも飲水で約1,200mL/日未満であれば、水分が不足している可能性があるといえます2腎疾患や、心疾患で水分制限を必要とする患者さんの場合は、さらに摂取量が少なくなります。これらを把握したうえで、まず水分を増やすのか、他の栄養素を補うのかを検討することになります。

図1
日本人の食事摂取基準推奨量からみた当院病院食の食物繊維量とマグネシウム量の充足率
院内に掲示している案内
+
*:70歳以上 †:概算著者作図
慢性便秘を改善する食事の調整
水分
水分には便を軟らかくするだけでなく、空腹時に摂取すると消化管蠕動運動を促進する働きがあるといわれています。必要水分量は尿量+不感蒸泄+(糞便など)−代謝水などで算出します。食事に影響が出ないように最初は起床時と寝る前にコップ1杯ずつから始め3徐々に目標水分量まで増やします。
食物繊維
不溶性食物繊維(繊維の多い野菜、穀類、豆類、キノコ類)は便のかさを増やすことで腸管を刺激するといわれ、水溶性食物繊維(緑黄色野菜、果物類、海藻類)は水分を吸収し、便を軟らかくする効果があるといわれています。便が直腸までおりてきているのに排便できなかったり便が硬い場合は、不溶性食物繊維を増やすと腹痛などが起こる可能性があるため、水溶性食物繊維を増やすようにします。目安量としてはまず食物繊維5g程度、食事では野菜の小鉢2-3品ほど増やすことから始めます。量を食べられない場合は、フルーツの選び方や主食を工夫することで摂取量を増やせます(図2)。病院では水溶性食物繊維であるグアーガム分解物などを配合した粉末のファイバーを使用し、食事のかさを増やさずに食物繊維を補う場合もあります。
乳酸菌
乳酸菌は腸内環境を整えるだけでなく、有機酸によって腸管を刺激する働きがあるとされ、腸管の蠕動運動が弱い場合は効果があるといわれています。腎疾患など水分制限中の場合は、水分を増やすことができませんが、乳酸菌飲料などの摂取で便通が改善する場合がありますので、補給を促します。
マグネシウム4
内服として処方されることがあるように腸内で水分泌を引き起こし、便を軟らかくする効果があり、食品では海藻類や豆腐(にがり)に多く含まれます。硬水のミネラルウォーター(マグネシウム含有量70-100mg/500mLあたり)を摂取すると水分だけでなく、マグネシウムも補給できます。 ただし、飲み過ぎると軟便や軽度の下痢を引き起こす場合があるので注意が必要です。 ●●● 慢性便秘の改善には、水分制限がなければまずは飲水量を増やすことから始めるのが腹痛などのトラブルが少なく実行しやすいと考えます。その上で、食物繊維の多い食品や乳酸菌飲料などの摂取を増やして様子を見ていくのがよいでしょう。
図2
フルーツや主食に含まれる食物繊維量の目安
フルーツや主食に含まれる食物繊維の目安
+
著者作図

  • 便秘を改善する栄養素には水分、食物繊維、乳酸菌、マグネシウム等があるが、現状の食事、水分量の過不足を適切にアセスメントして補給する必要がある
  • 補給するときは、少量から始めて徐々に目標量を充足するようにする

文献

  • 1日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要: 厚生労働省 p14, 32
  • 2熱中症 環境保健マニュアル 2018: 環境省 p31
  • 3厚生労働省:「健康のため水を飲もう」推進運動.
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html
  • 4中島淳(編): 臨床医のための慢性便秘マネジメントの必須知識 2015; p121-129
  • 前のコンテンツを見る

  • 次のコンテンツを見る

×

×