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多領域、多職種からのアプローチ 慢性便秘

2019年08月20日公開(2021年10月1日デザイン改訂)

看護師の視点から 意思表示が不十分な便秘患者への客観的アセスメントツールを使用した介入

元 旭川大学 保健福祉学部
保健看護学科
小児看護学 教授

細野 恵子先生

本記事の内容は2019年4月時点の情報に基づく

慢性便秘マネジメントにおける看護師の関わり

便秘は小児から高齢者まで幅広い年代によくみられる症状で、有訴率は加齢とともに増加傾向にあります。なかでも、療養中の患者においては便秘症状を訴える頻度は高く、高齢患者では排便の訴えが困難なこともあり、数日間の自力排便がみられない時には下剤や浣腸を使用する対処もしばしば行われます。しかし、看護の役割として、下剤や浣腸を使用する前に自然排便ができるように支援したいという思いがあり、看護介入の必要性が高い症状といえます。看護職が便秘症状に介入するには、その症状のアセスメントを行い、便秘の有無や程度を見極める必要があります。
現在、便秘症状を客観的に評価する指標として使用されている尺度の一つに「日本語版便秘評価尺度(Constipation Assessment Scale;CAS)」1があります。この尺度は1989年にMcMillan & Williamsがモルヒネを使用するがん患者の便秘ケアのために開発した尺度2の日本語版です。

その後、深井らは、この尺度の信頼性・妥当性を検証し、「日本語版便秘評価尺度」として報告しました。国内では広く使用され、CASによる便秘評価の妥当性は多数報告されています。一方、この尺度はモルヒネ使用患者のための尺度であり、慢性便秘症を評価することに対し、「その妥当性に疑問を呈する意見」3「その有用性は限定的である」4「主観的データが得られない状態にある患者の便秘症状を評価する場合に、8項目中4項目の主観的評価は判定できない限界がある」5という指摘もあります。そこで、対象者の排便状況を客観的にとらえ、臨床で簡便に分類・判断する基準あるいは評価指標を開発する必要性があると痛感しました。

排便パターン分類のためのフローチャートの開発

使いやすさを考慮した簡便な分類と便形の表現

このような経緯から、意思表示が十分でない患者にも適用できる、客観的指標から排便状況をアセスメントするツールとしての『排便パターン分類のためのフローチャート』の開発に至りました6このツールは対象者の排便状況を客観的にとらえ、臨床で簡便に分類・判断する基準、あるいは評価指標を開発する必要性からフローチャートの形式で作成しました(図1)。排便に関する看護介入が必要な症状は下痢や便秘が多いことから、使いやすさを考慮し、フローチャートに用いた便形は「ゆるい便」「硬便」の2種類にしました。

当初、排便状況の観察期間は4週間を要しましたが、その後の分析を経て、2週間の観察期間に短縮することができました7さらに、より簡便で客観的なツールの開発を目指し、新たな分類項目(混合群・要観察群)が追加され、継続した観察が必要な対象へのアセスメントも可能となる改訂版のフローチャートが作成されました(図2)。

図1 排便パターンを分類するための
フローチャート1(初版)
+
文献6より
図2排便パターンを分類するための
フローチャート2(改訂版)
+
文献8より

初版の排便パターンは6種類(下痢群/便秘群:硬便の割合が多い/便秘群:回数と量が少ない/便秘群:日数少なく腹部の張りあり/良好群:便形と日数に問題なし/良好群:日数少ないが腹部の張りなし)に分類された。改訂版では下痢と便秘の「混合群」、下痢傾向の「要観察群」を追加、「排便量・腹部の張り」項目、および便秘群を除外し、より客観的なツールになった。

改訂版フローチャートの妥当性と活用の可能性

排便パターン分類と排便の自覚との一致度は中程度を示し、改訂版の妥当性が示唆されています8フローチャートの開発から改訂に至る経過では、調査協力いただいた看護師の方々から多くの意見をいただきました。例えば、「期間を示す表現が4種類あるため誤りやすい」、「排便回数の割合を間違いやすい」、「計算するのが面倒なので自動計算できる工夫があるとよい」、などでした。

今後の使用可能性については、「入院前の外来通院中に記録してもらいたい」、「在宅療養患者・介護者に記録してもらいたい」、「ストーマ患者への使用可能性」、「健診や予防医療に活用できそう」、「退院に向けた排便管理への使用に有効」、などでした。これらのご意見を参考に、現在、更なる改訂に向けて検討しているところです。今後は、より活用しやすい改訂版フローチャートを公表する予定でいます。

  • 看護職が便秘症状に介入するためには、その症状のアセスメントを行い、便秘の有無や程度を見極める必要がある
  • 看護職が便秘症状に介入するために開発されたフローチャートは、排便状況をアセスメントして排便パターンの分類を把握し、必要なケアを考えるためのツールである

文献

  • 1深井喜代子ほか.: 看護研究1995; 28: 25-32
  • 2McMillan SC, et al.: Cancer Nursing 1989; 12: 183-188
  • 3徳井教孝ほか.: 中村学園大学薬膳科学研究所研究紀要 2012; 5: 49-54
  • 4手塚尚広ほか.: 周産期医学2012; 42: 941-943
  • 5細野恵子ほか.: 日本看護技術学会誌2012; 11: 28-34
  • 6細野恵子ほか.: 日本看護技術学会誌2016; 15: 74-80
  • 7井垣通人ほか.: 日本看護技術学会誌2016; 15: 183-187
  • 8吉良いずみほか.: 日本看護技術学会誌2016; 15: 154-162
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