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多領域、多職種からのアプローチ 慢性便秘

2020年2月12日公開(2021年10月1日デザイン改訂)

腎臓病患者における便秘の予防と治療

山形大学大学院医学系研究科
公衆衛生学・衛生学講座 教授

今田 恒夫先生

今田 恒夫 先生

本記事の内容は2019年10月時点の情報に基づく

腎臓病患者における便秘の原因

腎臓病患者は、食事・生活習慣、合併症、治療薬などの影響で便秘になりやすいといわれます(図1)。食事・生活面では、カリウム摂取制限によって野菜や果物の摂取量が減ることで食物繊維摂取量が不足する、加齢、糖尿病などの合併症、運動量減少により腸管蠕動運動が低下する、排便を我慢する習慣により直腸の排便反射が低下する、などが便秘をおこしやすくします。薬剤では、カリウム吸着薬、リン吸着薬、尿毒素を吸着する球形吸着炭などの使用が便を硬くして、便秘をおこしやすくします。透析患者の場合では、水分の摂取制限により、さらに便秘がおきやすくなります。透析患者を対象とした調査では、便秘は約半数にみられ、高齢者、糖尿病患者、女性ではさらに多いと報告されています1腎臓病患者における慢性便秘は、患者のQOLを低下させ、イレウス、虚血性腸炎、腸穿孔の原因となることもあるため、十分注意する必要があります。

図1 腎臓病患者における便秘の主な原因
腎臓病患者における便秘の主な原因
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著者作図

腎臓病と便秘の相互関係と悪循環

最近の大規模観察研究の結果から、便秘は腎臓病の悪化に関係しており、便秘が重症であるほど、腎臓病の悪化速度が速いことが明らかになりました2。腎臓病患者では、合併する便秘、代謝性アシドーシス、尿毒素の蓄積、服用薬、栄養障害などにより、腸管細菌叢のバランスが崩れ、その結果、腸管由来の尿毒素の産生増加や炎症反応が起こり、腎臓病がさらに進行するという機序が推測されており3、腎臓病と便秘は相互に病状を進行させる悪循環を形成している可能性があります(図2)。

また、腎機能が低下すると高カリウム血症となりますが、消化管へのカリウム排泄を増やす緩下剤の使用が高カリウム血症を改善させるとの報告があり4、便通の状態が血中カリウム濃度に影響している可能性もあります。これらの研究結果は、便秘は腎臓病やその合併症を悪化させるため、便秘の予防や適切な治療は、腎臓病の治療をする上でも重要であることを示しています。

図2
腎臓病と便秘の相互関係と悪循環
腎臓病と便秘の相互関係と悪循環
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著者作図

腎臓病患者における便秘の治療

腎臓病患者における便秘の治療では、病状を考慮した治療薬の選択と食事・生活面の改善の組み合わせが重要です。腎臓病患者では腸蠕動が低下した機能性便秘となっていることが多いため、主に便を柔らかくする薬剤や腸蠕動を亢進させる薬剤を使用し、下剤を長期に使用して効果が弱くなった場合は、タイプの異なる薬剤を併用します。便が直腸にたまってしまう直腸性便秘には、坐薬の使用、浣腸、摘便を行います。薬剤によっては、腎機能が低下した患者への使用が制限されることもあるので、注意が必要です。特に高齢者では、発熱、脱水、食事量低下などの体調の変化により、腎機能が急に低下することがあります。腎臓病患者では、便秘治療薬は少量から開始し、その効果と副作用の有無を確認しながら、適宜、量を調節して使用することが重要です。

薬剤だけに頼らずに、便意がなくてもトイレには決まった時間にいく習慣をつける、排便を我慢しない、軽い運動で腸の動きをよくするなどの日常生活面の改善や、水分制限がない方では水分を多めにとる、カリウム含有量に注意して食物繊維をとるなどの食事面の補助を合わせて行うことが必要です。食物繊維の豊富な食品やその料理法については、栄養士にアドバイスをもらうのがよいでしょう。食物繊維や乳酸菌を含む市販のサプリメントについては、含まれている成分などを医師に確認してから使用するのが安全です。便秘のタイプはさまざまであり、患者の食事・生活習慣、病状から影響を受けているため、便秘の予防・治療では、患者それぞれに合った長続きする方法を選択し、マネジメントしていくことが大切です。

  • 腎臓病患者では、食事・生活習慣、合併症、治療薬などの影響で便秘になりやすい
  • 便秘と腎臓病は、相互に病状を進行させる悪循環を形成する可能性がある
  • 便秘の治療では、病状を考慮した治療薬の選択と食事・生活面の改善の組み合わせが重要

文献

  • 1西原舞ほか.: 日本透析医学会誌. 37: 1887-1892, 2004
  • 2Sumida K, et al.: J Am Soc Nephrol. 28: 1248-1258, 2017
  • 3Anders HJ, et al.: Kidney Int. 83: 1010-1016, 2013
  • 4Mathialahan T, et al.: Nephrol Dial Transplant. 18: 341-347, 2003
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