製品Q&Aご使用にあたり
本Q&Aは、医療従事者向けの内容で、医療従事者が患者に対して行う診断、指導、助言等に代替するものではありません。また、掲載している情報は、医療従事者が製品の適正な使用を行うための一般的情報または参考情報であり、全ての症例またはケースに適応するものではありません。従いまして、本Q&Aのご利用によって生じた結果については、責任を負いかねますのでご了承ください。
本Q&Aには、承認外の内容(用法・用量、適応、剤形等)が含まれている場合がありますので、ご注意ください。製品のご使用に当たっては、最新の添付文書をご確認くださいますようお願いいたします。
なお、本Q&Aを許可なく複写、複製、転掲、頒布、改変等を行うことはご遠慮ください。
作用機序
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モビコール®配合内用剤LD・HDの作用機序は?
本剤は高分子量化合物であるマクロゴール4000を主要な有効成分として含有します。
マクロゴール4000など高分子量のポリエチレングリコール製剤を投与すると、浸透圧により1)保持された水分が腸に届き、大腸管内の水分量が増加します2)。その結果、便中水分量が増加し、便が軟化、便容積が増大することで、生理的に大腸の蠕動運動が活発化し用量依存的に排便が促されます。また、腸管内の水分増加に伴う滑らかな排便により、本剤の便秘治療効果が発現すると考えられます。
なお、腸内の電解質バランスを維持し、便中の浸透圧を適正なレベルに保持するため、本剤には塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び塩化カリウムが添加されています。【引用文献】
1) Schiller LR, et al. Gastroenterology 1988;94:933-41
2) Hammer HF, et al. J Clin Invest 1989;84:1056-622021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDに、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムが配合されている目的は?
腸内の電解質バランスを維持し、便中の浸透圧を適正なレベルに保持するために、モビコール®配合内用剤LD・HDには塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび塩化カリウムが配合されています。
【参考:添付文書より】
2021年12月改訂
用法・用量
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モビコール®配合内用剤LD・HDの用法・用量には、服用回数だけで服用タイミングの記載がありませんが、いつ服用すればいいですか?
モビコール®配合内用剤LD・HDは、主成分のマクロゴール4000が“保持した水”を、大腸に届けることで排便を促進します。
本剤の作用機序から考えると、服用タイミングに関わらず同様の効果が期待できます。
したがって、服用タイミングについては、服薬コンプライアンスを考慮し、患者様のライフスタイルに合わせた対応をお願いします。2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDは、食事の影響を受けますか?
食事の影響は受けないと考えられるため、食前・食後の服用のタイミングについては、特に決まりはありません。
なお、これまで食事の内容による有効性・安全性に対する影響は、国内外ともに報告されていません。参考: 本剤は、マクロゴール4000及び電解質を配合した製剤であり、主にマクロゴール4000の物理化学的性質により、その分子量から推定されるよりも高い浸透圧効果を有し、消化管内に水分を保持することで、用量依存的に便の排出を促進します。以上より、食事の影響を受けにくい薬剤であると考えられ、本剤の用法には食事とのタイミングに関する制限及び服用タイミングの設定は行っていません。
なお、海外における本剤の承認用法で食事とのタイミングに関する設定をしていないこと等から、本邦における本剤の開発においても食事のタイミングを規定せずに臨床試験を実施しました。2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDの用法は、『1日1~3回経口投与』ですが、投与量が同じであれば投与回数が異なっても効果は同じですか?
投与回数の違いによる有効性・安全性について検討していませんが、海外第Ⅰ相試験で、2回投与と3回投与で、排便回数と便重量には影響しないことが確認されていることから、用法・用量の範囲の1日1~3回であれば効果に影響しないと考えられます。
したがって、服用の回数については、服薬コンプライアンスを考慮し患者様のライフスタイルに合わせた対応をお願いします。【参考:海外第Ⅰ相試験より】
外国人健康成人(9例)を対象とした海外第Ⅰ相試験において、朝及び夕の2回投与と、朝、昼及び夕の3回投与で、排便回数及び便重量には影響しないことが確認されており、1日あたりの投与包数が同じであれば投与回数はその効果に影響しないと考えられます1)、2)。
【引用】
1) モビコール®配合内用剤 審査報告書p.22
http://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180928001/111890000_23000AMX00821_A100_1.pdf
2) モビコール®申請資料概要:2.7.6 個々の試験のまとめ p.6(2.7.6.1 外国第Ⅰ相試験)
http://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180928001/index.html2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDの『初回用量』と『最大投与量』は?
年齢により、初回用量と最大投与量が規定されています。
① 2歳以上7歳未満の幼児(2~6歳)
- 初回用量:モビコール®配合内用剤LD(以後LD)1包を1日1回経口投与
- 最大投与量:1日量としてLD 4包又はモビコール®配合内用剤HD(以後HD)2包まで(1回量としてLD 2包又はHD 1包まで)
② 7歳以上12歳未満の小児(7~11歳)
- 初回用量:LD 2包又はHD 1包を1日1回経口投与
- 最大投与量:1日量としてLD 4包又はHD 2包まで(1回量としてLD 2包又はHD 1包まで)
③ 成人および12歳以上の小児(12歳~)
- 初回用量:LD 2包又はHD 1包を1日1回経口投与
- 最大投与量:1日量としてLD 6包又はHD 3包まで(1回量としてLD 4包又はHD 2包まで)
【参考:添付文書より】
6. 用法及び用量
本剤は、水で溶解して経口投与する。
通常、2歳以上7歳未満の幼児には初回用量としてモビコール配合内用剤LD(以後LD)1包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量としてLD 4包又はモビコール配合内用剤HD(以後HD)2包まで(1回量としてLD 2包又はHD 1包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量としてLD 1包までとする。
通常、7歳以上12歳未満の小児には初回用量としてLD 2包又はHD 1包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量としてLD 4包又はHD 2包まで(1回量としてLD 2包又はHD 1包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量としてLD 1包までとする。
通常、成人及び12歳以上の小児には初回用量としてLD 2包又はHD 1包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量としてLD 6包又はHD 3包まで(1回量としてLD 4包又はHD 2包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量としてLD 2包又はHD 1包までとする。
2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDの添付文書に記載されている『増量は2日以上の間隔をあけて行い』とは、どのような増量の仕方ですか?休薬するのですか?
「2日連続の増量は不可」という意味です。効果発現まで時間がかかるので、増量する場合は1日おき、またはそれ以上の間隔をあけ、2日連続の増量はしないでください。増量した場合は2日以上継続投与してからの増量になります。
※「間隔をあけて」という表現は、休薬の意味ではありません。
【参考①:インタビューフォーム Ⅴ. 治療に関する項目 3. 用法及び用量 より】
【参考②:インタビューフォーム Ⅴ. 治療に関する項目 5. 臨床成績 より】
服用してからの効果発現時間(服用後の「初回自発排便」までの日数)
成人国内第Ⅲ相試験(検証期):初回自発排便発現までの日数の中央値は2.0日(n=80)でした。
小児国内第Ⅲ相試験:初回自発排便発現までの日数の中央値は2.0日(n=39)でした。2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LDの『初回用量』から『最大投与量』までの、漸増による具体的な処方事例は?
処方事例の一覧表を参考にお願いします。
【参考:モビコール®配合内用剤LDの用法・用量(処方事例)】
2021年12月改訂
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溶解後、一度に飲めない場合、小分けにして少量ずつ数回に分けて服用してもいいですか?
溶解後、一度に飲めない場合には、数回に分けて服用してもかまいません。その場合は、1日あたりの服用量をその日中に飲みきるようにしてください。
海外第Ⅰ相試験で、2回投与と3回投与で、排便回数と便重量には影響しないことが確認されていることから、小分けにして服用しても効果に影響しないと考えられます。【参考①:海外第Ⅰ相試験より】
外国人健康成人(9例)を対象とした海外第Ⅰ相試験において、朝及び夕の2回投与と、朝、昼及び夕の3回投与で、排便回数及び便重量には影響しないことが確認されており、1日あたりの投与包数が同じであれば投与回数はその効果に影響しないと考えられます1)、2)。
【引用】
1) モビコール®配合内用剤 審査報告書p.22
http://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180928001/111890000_23000AMX00821_A100_1.pdf
2) モビコール®申請資料概要:2.7.6 個々の試験のまとめ p.6(2.7.6.1 外国第Ⅰ相試験)
http://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180928001/index.html【参考②:添付文書より】
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
本品6.8523g(モビコール配合内用剤LD 1包)あたりコップ1/3程度(約60mL)又は本品13.7046g(モビコール配合内用剤HD 1包)あたりコップ2/3程度(約120mL)の水に溶解する。溶解後は速やかに服用すること。14.2 薬剤調製後の保存時の注意
やむを得ず保存する必要がある場合は、冷蔵庫に保存し、できるかぎり速やかに服用すること。2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDの0.5包の分割処方(再分包)は可能ですか?
0.5包の分割処方は承認外の用法となり、お勧めすることはできません。
モビコール®配合内用剤LD・HDは、1包中に、①マクロゴール4000、②塩化ナトリウム、③炭酸水素ナトリウム、④塩化カリウムの粉末を均一に配合していますが、粒子径が異なるため、輸送中の振動によって均一配合とならないことが予想されます。したがって、分包品であるモビコール®配合内用剤LD・HDの0.5包の分割処方は避けてください。2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDは、胃瘻から経管投与できますか?
胃瘻からの投与は承認外の用法となり、お勧めすることはできません。
実際に、胃瘻から投与して有効性・安全性を検討した報告はありません。
胃瘻投与については、ご施設のご判断でお願いします。2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDの頓用(頓服)での有効性・安全性は?
頓服での服用は承認外の用法となり、お勧めすることはできません。
頓用(頓服)での有効性・安全性は検討していません。
モビコール®配合内用剤LD・HDは、継続投与することで比較的ゆっくり作用が現れる薬剤であり、さらに継続投与により便中の水分を適正な水分量に保ち続けることが、重要だと考えます。【参考:申請資料概要「2.7.6 個々の試験のまとめ」p.27、158より1)】
成人国内第Ⅲ相試験(検証期):初回自発排便発現までの日数の中央値(50Percentile)は、2.0日(n=80)でした。(25Percentile:1.0日、75Percentile:4.0日)
小児国内第Ⅲ相試験:初回自発排便発現までの日数の中央値(50Percentile)は、2.0日(n=39)でした。(25Percentile:2.0日、75Percentile:4.0日)【引用】
1) http://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180928001/index.html2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDを溶解しないで、粉のまま飲水とともに服用できますか?
溶解しないで粉のまま服用することは、承認外の用法になり、有効性・安全性を検討していないため避けてください。
主成分のマクロゴール4000が、“保持した水”を大腸に届けることで排便を促進します。
したがって、必ずモビコール®配合内用剤LD 1包あたり約60mL又はモビコール®配合内用剤HD 1包あたり約120mLの水で溶解してから服用をお願いします。【参考:添付文書より】
6. 用法及び用量
本剤は、水で溶解して経口投与する。(以下省略)
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
本品6.8523g(モビコール配合内用剤LD 1包)あたりコップ1/3程度(約60mL)又は本品13.7046g(モビコール配合内用剤HD 1包)あたりコップ2/3程度(約120mL)の水に溶解する。溶解後は速やかに服用すること。
2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDの溶解液を用いて、他の経口剤を服用できますか?
他の薬剤との配合変化は検討していません。モビコール®配合内用剤LD・HDの溶解液を用いて、他剤を服用することはお勧めできません。
2021年12月改訂
併用
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モビコール®配合内用剤LD・HDを他の便秘治療薬と併用したときの有効性・安全性は?
モビコール®配合内用剤LD・HDと他の便秘治療薬を併用したときの、有効性・安全性に関する検討データはありません。
国内臨床試験では、連続して72時間以上排便が認められない場合に、救済薬として、成人国内第Ⅲ相試験ではビサコジル坐剤、小児国内第Ⅲ相試験ではビサコジル坐剤・ピコスルファートナトリウム・グリセリン浣腸の使用が認められていました。救済薬を併用した患者においても本剤の効果は維持され、救済薬併用による有害事象の発現頻度の増加は認められませんでした1)。【引用】
1) モビコール®配合内用剤 審査報告書p.23
http://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180928001/111890000_23000AMX00821_A100_1.pdf2021年12月改訂
配合変化
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モビコール®配合内用剤LD・HDを他の薬剤(経腸栄養剤、ドライシロップ剤、液剤など)と一緒に溶解して、服用してもいいですか?
薬剤との配合変化は検討していないため、モビコール®配合内用剤LD・HDの溶解液に他剤を混合することは避けてください。
2021年12月改訂
調製法
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速やかに溶解するためのポイントは(溶かし方は)?
水にモビコール®配合内用剤LD・HDを加え溶解します。
撹拌する際に、スプーンを回して溶かすと中心部の混ざり方が不十分で塊が出来ることがあります。スプーンを前後・左右に切るように撹拌すると全体が均一に速やかに溶けます。2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD 1包を約60mLの水に溶解したときの、味・色・匂い・とろみは?
味覚には個人差がありますが、塩化ナトリウム0.1754gを含有するためわずかに塩味がします。溶解液は、無色透明で匂い・とろみはありません。
2021年12月改訂
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水以外の、お勧めの飲料はありますか?
水以外で、特にお勧めしている飲料はありません。本剤は、水で溶解して経口投与するとなっております。
各種飲料での溶解は承認外の用法となり、お勧めすることはできません。
味などが気になって服用しにくい場合は、他の飲料(りんごジュースや冷たい飲料など)に溶かして服用することもできます。これらの飲料に溶かした後はなるべく速やかに服用してください。2021年12月改訂
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添付文書の調製方法には、「水に溶解する」と記載されていますが、お湯で溶解してもいいですか?
添付文書では、「本剤は、水で溶解して経口投与する」と記載しているので、お湯での溶解は、お勧めはしていません。
成分の一つである炭酸水素ナトリウムが、65℃以上の溶液中で速やかに分解する、さらに、お湯で溶解した場合、主成分のマクロゴール4000の特異な匂いがする可能性があります。
お湯での溶解は、お勧めはしていませんが、どうしても、お湯で溶解する必要がある場合は、微温湯(30~40℃)での溶解をお願いします。参考: 炭酸水素ナトリウムは「低温の水を加えたときは分解せずに溶解するが、水溶液を長く放置するか、激しく振り混ぜると二酸化炭素を放出し、65℃以上に加温すると急速に分解して炭酸ナトリウムとなる。」1)
【引用文献】
1) 第十七改正 日本薬局方解説書C-2996(2016)の『炭酸水素ナトリウム』2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDの調製法は、『LD 1包あたり約60mLの水に溶解』ですが、規定量より少ない水分で溶解してもいいですか?
モビコール®配合内用剤LD・HDは、主成分のマクロゴール4000が “保持した水”を、大腸に届けることで排便を促進します。
規定量より少ない水で溶解した場合の有効性・安全性を検討したデータがなく、お勧めできません。したがって、必ずLD 1包あたり約60mLの水で溶解してから服用をお願いします。2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDの調製法は、『LD 1包あたり約60mLの水に溶解』ですが、規定量より多い水分で溶解してもいいですか?
モビコール®配合内用剤LD・HDは、主成分のマクロゴール4000が“保持した水”を、大腸に届けることで排便を促進します。
規定量より多い水で溶解した場合の有効性・安全性を検討したデータがなく、お勧めできません。したがって、必ずLD 1包あたり約60mLの水で溶解してから服用をお願いします。2021年12月改訂
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添付文書・患者指導箋に、「溶解後すぐに服用できない場合は、冷蔵庫で保管してください」という記載がありますが、冷蔵庫で保存した場合の安定性は?
溶解後、5℃・7日間で変化なしというデータがあります(表Ⅳ-5)。
なお、1日あたりの服用量を一度に飲みきれない場合は、できるだけ速やかに、その日のうちに飲み切るようにお願いします。【参考①:インタビューフォーム Ⅳ. 製剤に関する項目 7. 調製法及び溶解後の安定性 より】
【参考②:添付文書より】
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
本品6.8523g(モビコール配合内用剤LD 1包)あたりコップ1/3程度(約60mL)又は本品13.7046g(モビコール配合内用剤HD 1包)あたりコップ2/3程度(約120mL)の水に溶解する。溶解後は速やかに服用すること。14.2 薬剤調製後の保存時の注意
やむを得ず保存する必要がある場合は、冷蔵庫に保存し、できるかぎり速やかに服用すること。2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDの開封後の安定性は?誤って開封した場合の保管方法は?
開封して、25℃・90%RHの条件下で、3ヵ月後に吸湿による固化を認めたデータがあります(表Ⅳ-4)。
当日の服用分であれば、開封部分を折り曲げて、湿気を避けて保管し、固化などの変化がないことを確認した上で、規定量の水(LD 1包あたり約60mL、HD 1包あたり約120mL)で溶解して、その日のうちに服用してください。*なお、開封後、その日のうちに服用しなかった場合は、廃棄をお願いします。
【参考:インタビューフォーム Ⅳ. 製剤に関する項目 6. 製剤の各種条件下における安定性 より】
2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDは、『とろみ剤』を使用して服用できますか?
とろみ剤の使用については、有効性・安全性を検討した報告がないのでお勧めはできません。
モビコール®配合内用剤LD・HDを溶解してから、とろみ剤を加えるのであれば、マクロゴール4000の物理化学的性質から考えると、おそらくモビコール®配合内用剤LD・HDの薬効には問題ないと思われます。2021年12月改訂
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服薬ゼリーは、使用できますか?
服薬ゼリーの使用については、有効性・安全性を検討した報告がないので、お勧めできません。
服薬ゼリーは、薬剤を溶解することなくゼリーで包み込み(ゼリーとかき混ぜる)、飲みやすくするために用います。したがって、モビコール®配合内用剤LD・HDを溶解しないで固まった状態で服用することになりますので使用できません。2021年12月改訂
安全性
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モビコール®配合内用剤LD・HDの過量投与による症状及び対処法は?
過量投与により、下痢又は嘔吐による過度の体液喪失が生じた場合、脱水や電解質異常が起こる可能性があります。
水分摂取、電解質補正等の適切な処置をお願いします。【参考:添付文書より】
13. 過量投与
下痢又は嘔吐による過度の体液喪失が生じた際には、水分摂取、電解質補正等の適切な処置を行うこと。
2021年12月改訂
臨床効果
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成人における、服用してからの効果発現時間は?(服用後の「初回自発排便」までの日数は?)
成人国内第Ⅲ相試験(検証期):初回自発排便発現までの日数の中央値は2.0日でした。
【参考:申請資料概要「2.7.6 個々の試験のまとめ」p.27より1)】
初回自発排便発現までの日数の中央値(50Percentile)は、2.0日でした。
(モビコール®投与群)25Percentile:1.0日、75Percentile:4.0日(n=80)
(プラセボ投与群)25Percentile:2.0日、50Percentile:2.0日、75Percentile:4.0日(n=76)パーセンタイル:percentile(百分位数)
計測値の分布(ばらつき)を小さい数字から大きい数字に並べ変え、パーセント表示することによって、どこに位置するのかを測定する単位。50パーセンタイルが中央値。つまり、全体を100として小さい方から数えて何番目になるのかを示す数値で、「75パーセンタイル」は、小さい方から数えて75番目ということになる。
【引用】
1) http://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180928001/index.html2021年12月改訂
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小児における、服用してからの効果発現時間は?(服用後の「初回自発排便」までの日数は?)
小児国内第Ⅲ相試験:初回自発排便発現までの日数の中央値は2.0日でした。
【参考:申請資料概要「2.7.6 個々の試験のまとめ」p.158より1)】
初回自発排便発現までの日数の中央値(50Percentile)は、2.0日でした(n=39)。
25Percentile:2.0日、75Percentile:4.0日パーセンタイル:percentile(百分位数)
計測値の分布(ばらつき)を小さい数字から大きい数字に並べ変え、パーセント表示することによって、どこに位置するのかを測定する単位。50パーセンタイルが中央値。つまり、全体を100として小さい方から数えて何番目になるのかを示す数値で、「75パーセンタイル」は、小さい方から数えて75番目ということになる。
【引用】
1) http://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180928001/index.html2021年12月改訂
特殊患者
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モビコール®配合内用剤LD・HDは、水分制限・塩分制限をしている患者さん(透析、心不全など)へ投与できますか?
添付文書には、水分制限や塩分制限を必要とする患者(透析、心不全など)の禁忌の記載はなく、これらの患者への投与については処方医の判断になります。
ただし、モビコール®配合内用剤LD・HDを水分制限や塩分制限をしている透析患者、心不全患者に投与したときの有効性・安全性、本剤の溶解水・電解質の体内への吸収量を検討したデータはありません。
投与する場合は、水分・電解質バランスを注意して観察しながら投与してください。2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDは、妊婦に投与できますか?
添付文書には、妊婦への投与について、“警告、禁忌”の記載はありません。
しかしながら、安全性が確立していないことから、添付文書には、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。」と記載しています。
なお、生殖発生毒性試験(経口投与)1)では、骨化遅延・骨格変異の増加がありましたが、催奇形性は認められていません。【参考①:インタビューフォーム Ⅻ. 参考資料 2. 海外における臨床支援情報 より】
英国のMOVICOL® PlainのSmPC(欧州製品情報概要)における該当部分の記載
Pregnancy(妊娠)
There are limited amount of data from the use of MOVICOL in pregnant women. Studies in animals have shown indirect reproductive toxicity. Clinically, no effects during pregnancy are anticipated, since systemic exposure to macrogol 3350 is negligible.
MOVICOL can be used during pregnancy.
【参考②:インタビューフォーム Ⅸ. 非臨床試験に関する項目 2. 毒性試験 より】
【引用文献】
1) EAファーマ株式会社;社内資料(毒性試験「生殖発生毒性試験」)2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDは、授乳婦に投与できますか?
添付文書には、授乳婦への投与について、“警告、禁忌”の記載はありません。
モビコール®配合内用剤LD・HDの全身曝露による母乳への影響はないと考えられており、授乳婦への投与は可能ですが、処方医の判断になります。
しかしながら、安全性が確立していないことから、添付文書には、「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。」と記載しています。【参考:インタビューフォーム Ⅻ. 参考資料 2. 海外における臨床支援情報 より】
英国のMOVICOL® PlainのSmPC(欧州製品情報概要)における該当部分の記載
Breastfeeding(授乳)
No effects on the breastfed newborn/infant are anticipated since the systemic exposure of the breast-feeding woman to macrogol 3350 is negligible.
MOVICOL can be used during breast-feeding.
2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDの投与対象年齢は2歳以上ですが、低出生体重児、新生児、2歳未満の乳幼児に投与できますか?
2歳未満の乳幼児への投与は承認外の用法となり、お勧めすることはできません。
モビコール®配合内用剤LDは2歳以上の幼児及び小児を対象とした国内の臨床試験において、有効性および安全性が示されており1)、2歳未満の乳幼児に対する有効性・安全性は検討していません。2歳未満の乳幼児への投与は処方医の判断、保険審査については審査機関の判断になります。【引用文献】
1) EAファーマ株式会社;社内資料(小児国内第Ⅲ相試験)2021年12月改訂
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モビコール®配合内用剤LD・HDを高齢者に投与する場合の注意点は?
添付文書の『9.8 高齢者』の項には、「減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。」と記載していますが、高齢者に対する用法・用量、有効性・安全性について検討したデータはありません。
しかしながら、主成分のマクロゴール4000は、ほとんど吸収されないため1)、高齢者においても生理機能の低下による影響は少ないと考えられます。【参考①:インタビューフォーム Ⅶ. 薬物動態に関する項目 1. 血中濃度の推移 より】
臨床試験で確認された血中濃度
マクロゴール4000*は経口投与時にほとんど吸収されない(外国人健康成人、外国人炎症性腸疾患患者)1)、2)。
<参考>
健康成人にポリエチレングリコール3350*と電解質を消化管洗浄に用いたとき、血漿及び尿中ポリエチレングリコール3350を測定(ポリエチレングリコール3350の測定下限値は10μg/mL)したが、血漿中に検出されず、尿中に投与後12時間で投与量の約0.04%が排泄された1)。*海外で発売されているMOVICOL®の主成分であるポリエチレングリコール3350は日本の公定書での規格がないため、日本薬局方にあわせてマクロゴール4000に変更しているが、有効成分は同等である。
【参考②:添付文書より】
16. 薬物動態
16.2 吸収
マクロゴール4000は経口投与時にほとんど吸収されない1)、2)(外国人健康成人、外国人炎症性腸疾患患者)。
【引用文献】
1) DiPiro JT, et al. Clin Pharm 1986; 5: 153-5
2) Brady CE 3rd, et al. Gastroenterology 1986; 90: 1914-82021年12月改訂
保険審査
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モビコール®配合内用剤LD・HDと他の便秘治療薬との併用は、保険診療上認められますか?
モビコール®配合内用剤LD・HDと他の便秘治療薬との併用に関する保険審査については、エリアの審査機関の判断になります。
慢性便秘症の治療においては、複数の薬剤が併用される治療が行われており、モビコール®配合内用剤LD・HDは他の便秘治療薬と作用機序が異なることからも併用されることがあると思われますが、併用は処方医の判断になります。2021年12月改訂
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未治療の初診患者さんに、モビコール®配合内用剤LD・HDをファーストチョイスの便秘薬として投与することは、保険診療上認められますか?
平成30年11月27日付の「保医発1127第2号」(厚生労働省保険局医療課長)1)には、モビコール®配合内用剤について、以下の記載があります。
この通知が各都道府県の審査機関に発出されていますが、未治療患者への各種新薬の投与の可否については、この通知を受けた各都道府県の審査機関の判断になります。モビコール配合内用剤
「本製剤の成人への使用に当たっては*、他の便秘症治療薬(ルビプロストン製剤、エロビキシバット水和物製剤、リナクロチド製剤及びラクツロース製剤を除く。)で効果不十分な場合に、器質的疾患による便秘を除く慢性便秘症の患者へ使用すること。」
*下線部からは、『2歳以上の幼児と小児』は、該当しないと解釈されます。
【引用】
1) 「保医発1127第2号」(厚生労働省保険局医療課長)平成30年11月27日付2021年12月改訂
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