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- 高齢者における慢性便秘症

2025年05月27日公開
老年科医の視点から
老年科医

Summary
- 高齢者の慢性便秘症はサルコペニア—フレイルの悪循環につながるおそれがある
- Multimorbidityやポリファーマシーの観点から、高齢者では慢性便秘症の原因となりうる基礎疾患や薬剤に注意すべきである
- 慢性便秘症によく用いられる酸化マグネシウムは、高齢者の場合、腎機能低下による高マグネシウム血症に注意が必要である
- 高齢者に対しては、薬物動態の加齢変化を配慮した薬物療法が重要である
- 排便困難型の高齢者では糞便塞栓に注意が必要である
- 高齢者に対しては、排便環境の整備に関する患者指導や便の硬さや形状について問診で聴取することが重要である
はじめに
慢性便秘症はこれまで、“日常生活に様々な支障をきたすものの、生命に関わる疾患ではない”と考えられていましたが、近年はその認識が大きく変わりました。
大規模なコホート研究において、慢性便秘症は生存率を低下させる可能性1)や、心血管疾患の発症・死亡リスク上昇に関与している可能性2,3)が示され、慢性便秘症では排便時のいきみによる急激な血圧変動が循環器系に負荷をかけるのではないか、と考えられるようになりました。さらに、10年以上前からの便秘症状がパーキンソン病の予測因子であったとの報告や4)、慢性便秘症が慢性腎臓病の発症リスク上昇に関与していたとの報告もあります5)。こうしたエビデンスから、慢性便秘症はリスク因子として重要視されるようになりました。
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