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アテディオ配合錠Information

開発の経緯及び作用機序

アテディオ配合錠は、レニン・アンジオテンシン系阻害薬(以下、RAS阻害薬)であるアンジオテンシン受容体拮抗薬(以下、ARB)に分類されるバルサルタンとL/N型Ca拮抗薬であるシルニジピンの2つの成分からなる配合剤です。

バルサルタンは、アンジオテンシン受容体のサブタイブであるAT1受容体に結合し、昇圧系として作用するアンジオテンシンの作用に拮抗することによって降圧効果を発揮します。
シルニジピンは、血管のL型Caチャネルのブロックによる降圧効果だけでなく1)交感神経の終末に存在するN型Caチャネルをブロックし、交感神経の興奮により引き起こされるノルアドレナリンの放出を低下させることにより、ストレス性昇圧を抑制すると考えられます2)~5)

高血圧症の発症及び進展には複数の因子が存在しており、高血圧治療ガイドラインでは降圧が不十分な場合に作用機序の異なる降圧薬による併用療法が推奨され、ARBとカルシウム拮抗薬の併用療法は推奨される組み合わせの一つに挙げられています。また、配合剤は服薬錠数の低減により、服薬コンプライアンス向上に大きく寄与し、アドヒアランス(治療継続)の改善が期待されています。

以上のことから、作用機序の異なる降圧効果とアドヒアランスの改善による血圧コントロールの改善が期待される薬剤として、バルサルタンとシルニジピンの2つの成分からなる本剤が開発され、2014年3月に「高血圧症」の効能又は効果にて承認されました。

  • 1)Hosono M, et al. J. Pharmacobio-Dyn. 1992; 15: 547-53
    [利益相反]著者は富士レビオ株式会社の社員である。
  • 2)Fujii S, et al. J. Pharmacol. Exp. Ther. 1997; 280: 1184-91
    [利益相反]著者は富士レビオ株式会社の社員である。
  • 3)Hosono M, et al. Jpn. J. Pharmacol. 1995; 69: 119-25
    [利益相反]著者は富士レビオ株式会社の社員である。
  • 4)細野昌宏 他, 薬理と治療 1995; 23: 3187-91
    [利益相反]著者は富士レビオ株式会社の社員である。
  • 5)栽原伸一郎 他, 薬理と治療 1993; 21: 271-6
    [利益相反]本試験は、富士レビオ株式会社および味の素株式会社の支援によって実施され、著者には各社の社員(計4名)が含まれている。
  • Aritomi S, et al. Am. J. Nephrol. 2011; 33: 168-75より改変
    [利益相反]著者はEAファーマ株式会社の研究員である。
  • 我妻広貴, 薬理と治療 2014; 42: 817-23より改変
    [利益相反]著者はEAファーマ株式会社の研究員である。