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Information
自己乳化製剤技術
自己乳化製剤の乳化メカニズム・脂肪酸の吸収メカニズム解説ムービー1~4)
吸収性の向上を目的として開発された自己乳化製剤エパデールEM
長鎖脂肪酸エチルエステルなどの脂質は、食事によって分泌される胆汁酸などと混じりあってエマルジョンとなり、その後、ミセルとして小腸上皮細胞に近づくことで吸収されると考えられています 1~3)。エパデールEMなどの自己乳化製剤は、体内でカプセルが崩壊すると水相で油・脂溶性成分が界面活性剤と自己乳化し、吸収されると考えられています3、4)。
長鎖脂肪酸エチルエステルの吸収メカニズム、自己乳化製剤の乳化メカニズム
食事の有無別にみた吸収5)
試験方法
健康成人男性36例を対象とした2期クロスオーバー試験。対象をエパデールS 1,800mgまたはエパデールEM 1,800mgを投与する群(1,800mg投与例)、エパデールS 3,600mgまたはエパデールEM 3,600mgを投与する群(3,600mg投与例)に2:1に割り付けた。さらに、1,800mg投与例および3,600mg投与例を第1期において、投与薬剤と食事の有無で1:1:1:1の割合で4群(エパデールS・食事なし、エパデールS・食事あり、エパデールEM・食事なし、エパデールEM・食事あり)に割り付け、第2期は第1期と異なる群に1:1:1:1の割合で4群に割り付けた。第1期および第2期に朝空腹時または朝食直後に単回経口投与した。
エパデールEM 1,800mg、3,600mg、エパデールS 1,800mg、3,600mgの吸収を食事の有無別に検討した結果、食事なしの条件で投与したときのエパデールEM 1,800mg、3,600mgのCmaxは食事ありの条件のそれぞれ0.58倍、0.94倍、AUC0-72hrはそれぞれ0.66倍、1.09倍でした。一方、エパデールS 1,800mg、3,600mgのCmaxは食事ありの条件のそれぞれ0.15倍、0.07倍、AUC0-72hrはそれぞれ0.15倍、0.10倍でした。
国内第Ⅰ相試験(臨床薬物動態試験)
単回経口投与時の食事の有無別にみた血漿中EPA濃度(計算値※1)推移
- ※1 各時点における血漿中EPA濃度から、投与開始前の血漿中EPA濃度を減じた値を計算値として用いた。なお、計算値が負の値となった場合は、0 に置き換えた。
- ※2 AUC0-72hrはn=5
- AUC0-72hr:投与72時間後までの血漿中濃度-時間曲線下面積
- 1) Schuchardt JP, Hahn A:Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 2013;89:1-8
- 2) 田地陽一 編:栄養科学イラストレイテッド 基礎栄養学 第4版 羊土社 2020;p59-60
- 3) 藤本武彦 著:新・界面活性剤入門 三洋化成工業 1992;p22
- 4) Visetvichaporn V, et al:Int J Pharm. 2020;573:118772
- 5) 持田製薬社内資料:国内第I相単回投与試験(MND2119N11試験)<2022年6月20日承認、CTD 2.7.6.1>[承認時評価資料]
エパデールSおよびエパデールEMの本邦で承認された用法及び用量は以下の通りです。
エパデールS 【用法・用量】
閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善:イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回600mgを1日3回、毎食直後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
高脂血症:イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回900mgを1日2回又は1回600mgを1日3回、食直後に経口投与する。ただし、トリグリセリドの異常を呈する場合には、その程度により、1回900mg、1日3回まで増量できる。
エパデールEM 6. 用法及び用量
イコサペント酸エチルとして、通常、成人には1回2gを1日1回、食直後に経口投与する。ただし、トリグリセリド高値の程度により、1回4g、1日1回まで増量できる。