持田製薬株式会社

医療関係者向けサイト

持田製薬株式会社

医療関係者向けサイト

ご利用の注意

・このサイトに掲載している情報は、弊社医療用医薬品を適正にご使用いただくためのものであり、広告を目的とするものではありません。

・日本国内の医療関係者(医師、薬剤師等)を対象としております。
 国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承ください。

・このサイトで提供している以外の弊社医療用医薬品の情報をお求めの方は、弊社MR、またはくすり相談窓口までお問い合わせください。

会員限定コンテンツのご利用について

会員の方

会員限定コンテンツのご利用には
medパスIDが必要となります。

会員登録されていない方

対象の職種をお選びください。
会員限定コンテンツ以外を
ご利用いただけます。

会員限定コンテンツのご利用には
medパスIDが必要となります。

新規会員登録はこちら

※外部サイトへ移動します
medパスのご紹介はこちら

医療関係者ではない方(コーポレートサイトへ

持田製薬株式会社

医療関係者向けサイト

ご利用の注意

・このサイトに掲載している情報は、弊社医療用医薬品を適正にご使用いただくためのものであり、広告を目的とするものではありません。

・日本国内の医療関係者(医師、薬剤師等)を対象としております。
 国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承ください。

・このサイトで提供している以外の弊社医療用医薬品の情報をお求めの方は、弊社MR、またはくすり相談窓口までお問い合わせください。

対象の職種をお選びください。

医療関係者ではない方(コーポレートサイトへ

ユリス®錠 Pick Up

2021年01月22日公開(2022年03月01日一部改訂)

痛風・高尿酸血症の基本と最新知見~SURIによる治療戦略を理解するために~

東京薬科大学薬学部 病態生理学教室 教授 市田 公美 先生

2020年5月に高尿酸血症治療剤として、ユリス®錠(ドチヌラド)が発売になり、高尿酸血症の薬物療法の選択肢が増えました。ドチヌラドは、腎臓の近位尿細管にあるURAT1を介した尿酸の再吸収経路を選択的に阻害する選択的尿酸再吸収阻害薬(SURI)です。今回は、東京薬科大学の市田公美先生に、高尿酸血症の基本的な内容から尿酸トランスポーターに関する知見、高尿酸血症のSURIによる治療戦略などについて伺いました。

  • SURI:Selective Urate Reabsorption Inhibitor : 選択的尿酸再吸収阻害薬

高尿酸血症の基礎と病型分類 高尿酸血症の基礎と病型分類

高尿酸血症の定義

高尿酸血症は、尿酸の産生と排泄のバランスが崩れて、体内の尿酸量が過剰になり、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態のことを指します1)

  • 1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会
    高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018:72-3
高尿酸血症の病型分類

高尿酸血症の病型は大きく3つに分けられます。
1つ目は腎臓における尿酸排泄効率が低下した「尿酸排泄低下型」、2つ目は腎臓に対する尿酸負荷が増大し、血清尿酸値の上昇をきたす「腎負荷型」、そして3つ目はこれらの「混合型」です。
さらに腎負荷型には、尿酸産生が過剰になった「尿酸産生過剰型」と腸管からの尿酸排泄が低下した「腎外排泄低下型」の2つがあります。

各病型の比率は、尿酸排泄低下型が約6割、腎負荷型が約1割、混合型が約3割とされています。 ここで大切なことは、約9割(尿酸排泄低下型約6割 + 混合型約3割)の患者さんは尿酸排泄低下の素因を有しているということです。言い換えれば、血清尿酸値が上昇する場合のほとんどで、尿酸排泄低下が関与しているということになります。

高尿酸血症のリスク 高尿酸血症のリスク

高尿酸血症が直接関与する病態として、痛風、尿路結石が挙げられます。
また、腎障害(慢性腎臓病)との関係も示唆されています。そのエビデンスの1つとして、健康診断受診者を対象とした海外の観察研究では、血清尿酸値第1四分位に対して、第4四分位の末期腎不全(ESRD)の発症リスクのハザード比は2.14であったことが示されています。
その他、高尿酸血症に合併しやすい病態としてメタボリックシンドロームなどがあることも知られています。

尿酸トランスポーターと痛風・高尿酸血症の関係 尿酸トランスポーターと痛風・高尿酸血症の関係

尿酸トランスポーターの種類

尿酸の排泄には、さまざまな「尿酸トランスポーター」が関与しています。
現在までに同定された尿酸トランスポーターは図のとおりで、このうち、腎臓の近位尿細管の管腔側膜にあるURAT1や血管側膜にあるGLUT9などは、尿酸の再吸収に関与しています。反対に管腔側膜のABCG2は、尿酸の尿中排泄に関与しています 。また、ABCG2は腸管にも発現し、尿酸を便中に排泄しています 。

URAT1と高尿酸血症の病態

尿酸トランスポーターの働きは高尿酸血症の発症とも関係すると考えられています。
例えば、何らかの原因でURAT1を介した尿酸の再吸収が亢進すると、血中尿酸が増加し、高尿酸血症の病態をきたす要因の1つになると考えられています。

ABCG2と痛風発症リスク

ABCG2は、その機能が低下すると血清尿酸値が上昇することが想定されます。
実際、日本人の高尿酸血症患者及び健常人を対象とした研究では、ABCG2の推定機能が正常なときと比べて、1/4以下のときの痛風発症オッズ比は25.8となることが示されました。

高尿酸血症のSURIによる治療戦略 高尿酸血症のSURIによる治療戦略

尿酸降下薬の投与開始基準と選択基準

高尿酸血症の治療について、高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版ではフローチャートが示されています。
生活習慣の改善を前提に、このフローチャートから尿酸降下薬の開始基準を読み解くと、次のようになります。

〈尿酸降下薬の開始基準〉

  1. 血清尿酸値>7.0mg/dLで、痛風関節炎や痛風結節の既往がある場合。
  2. 血清尿酸値≧9.0mg/dLの場合。
  3. 血清尿酸値≧8.0mg/dL、<9.0mg/dLで腎障害や尿路結石などの合併症がある場合。この場合、患者さんごとに尿酸降下薬の適応があるかどうかを判断する必要がある。

2020年にユリス®錠(ドチヌラド)が登場し、尿酸降下薬は、現在多くの選択肢があります。
従来は、高尿酸血症の病型に応じて使い分けが推奨されていました。しかし、尿酸生成抑制薬が尿酸排泄低下型にも有効であるという報告などがあることから、現在のガイドラインでは、このセオリーについては紹介程度にとどめられています。そのため、病型を含め、総合的に患者さんごとの状況を評価して薬剤を選択しているのが実情です。
ただ理論的には、血清尿酸値を高めている原因を薬剤で改善する、例えば尿酸排泄低下型には尿酸排泄を促すのが合理的と考えます。

ドチヌラドの薬理学的特徴

ドチヌラドは、 URAT1を介した尿酸の再吸収を選択的に阻害する選択的尿酸再吸収阻害薬(SURI)です。
ドチヌラドは、ABCG2やOAT1、OAT3に⽐べてURAT1に対する選択性が⾼いことが⽰されており、URAT1を介した尿酸の再吸収経路を選択的に阻害し、ABCG2、OAT1、OAT3などを介した分泌には影響を及ぼさず、血清尿酸値を低下させることが期待されます。

ドチヌラドの臨床試験結果

ドチヌラドの後期第相試験では、主要評価項目である投与終了時の血清尿酸値低下率は、ドチヌラド0.5mg群から4mg群において用量反応性が検証されました。また、副次評価項目の血清尿酸値6.0mg/dL以下の達成率は、プラセボ群で0.0%、ドチヌラド0.5mg群で23.1%、1mg群で65.9%、2mg群で74.4%、4mg群で100.0%であり、ドチヌラドの用量反応性が認められました。
一方、安全性について、急性の痛風関節炎を除く副作用及び急性の痛風関節炎の副作用は、プラセボ群で15.4%及び0.0%、ドチヌラド0.5mg群で12.5%及び2.5%、1mg群で14.3%及び4.8%、2mg群で15.4%及び7.7%、4mg群で10.0%及び7.5%に認められました。

詳細を見る

ドチヌラドの患者選択

SURIであるドチヌラドの患者選択については、尿酸排泄低下の素因のある患者さんへ投与することが理にかなっているのではないかと考えられます。
例えば、メタボリックシンドロームや肥満を伴う高尿酸血症患者さんでは、高尿酸血症をきたす背景の1つにインスリン抵抗性があります。インスリン抵抗性は、間接的に尿酸再吸収を亢進し、尿酸排泄低下をきたすと考えられています。
こうした病態をきたす患者さんでは生活習慣を見直すことでインスリン抵抗性を改善しつつ、ドチヌラドで尿酸の再吸収を阻害するのが良いのではないかと考えます。
以上の点を考慮し、添付文書に準じて適切な患者選択を行うことが大切です。

おわりに おわりに

高尿酸血症の発症にはURAT1やABCG2などの尿酸トランスポーターが深く関与しています。
URAT1を介した再吸収亢進は高尿酸血症の病態をきたす要因の1つになると考えられています。また、ABCG2は、その機能が低下すると血清尿酸値が上昇することが想定されます。
ドチヌラドはURAT1選択性が高く、ABCG2やOAT1、OAT3を介した尿酸分泌経路は阻害せず、URAT1を介した再吸収経路を阻害するSURIです。メタボリックシンドロームや肥満を伴う高尿酸血症患者さんをはじめ、これからの痛風・高尿酸血症治療において、ドチヌラドは重要な選択肢の1つとして期待できるものと思われます。

「禁忌を含む使用上の注意」等は添付文書をご参照ください。

後期第相試験(用量反応検証試験)

後期第相試験は一部承認外の成績が含まれますが、用量反応検証試験として実施されたため掲載します。

  • 社内資料:用量反応検証試験・後期第相臨床試験[2020年1月23日承認、CTD 2.7.6.14、CSR FYU-981-006(資料5.3.5.1-2)]〔承認時評価資料〕
  • Hosoya T, et al. Clin Exp Nephrol 2020 ; 24 : S53-61
  • [利益相反] 本研究は株式会社富士薬品の資金により行われた。本論文の著者のうち4名は株式会社富士薬品の社員である。
  • 著者には、本研究に関する株式会社富士薬品のアドバイザーでありコンサルタント料等を受領している者が含まれる。

ドチヌラドは、後期第相試験において、痛風を含む高尿酸血症患者を対象として用量反応性の検証及び安全性が検討されました。

投与終了時の血清尿酸値低下率(主要評価項目;FAS解析対象、LOCF)

ドチヌラド0.5mg群~4mg群において、用量反応性が検証されました。

投与終了時における投与前値からの血清尿酸値低下率(平均値±標準偏差)は、プラセボ群で−2.83±8.19%、ドチヌラド0.5mg群で21.81±11.35%、1mg群で33.77±9.82%、2mg群で42.66±13.16%、4mg群で61.09±8.75%であり、ドチヌラドの用量反応性が検証されました([主解析]p<0.001、Jonckheere-Terpstra検定)。
また、群間比較では、いずれの群間においても有意差が認められました(ドチヌラド1mg群vs. 2mg群:p=0.002、その他の群間:p<0.001、Tukey-Kramer検定)。

投与終了時の血清尿酸値6.0mg/dL以下の達成率
(副次評価項目;FAS解析対象、LOCF)

ドチヌラド0.5mg群~4mg群において、用量反応性が認められました。

投与終了時における血清尿酸値6.0mg/dL以下の達成率は、プラセボ群で0.0%、ドチヌラド0.5mg群で23.1%、1mg群で65.9%、2mg群で74.4%、4mg群で100.0%であり、ドチヌラドの用量反応性が認められました(p<0.001、Cochran-Armitage検定)。

安全性(SP解析対象)注)

痛風関節炎を除く副作用(臨床検査値異常を含む)及び痛風関節炎の副作用は、プラセボ群で15.4%及び0.0%、ドチヌラド0.5mg群で12.5%及び2.5%、1mg群で14.3%及び4.8%、2mg群で15.4%及び7.7%、4mg群で10.0%及び7.5%に認められました。

痛風関節炎を除く副作用(臨床検査値異常を含む)は、プラセボ群で6/39例(15.4%)、ドチヌラド0.5mg 群で5/40 例(12.5%)、1mg 群で6/42 例(14.3%)、2mg 群で6/39例(15.4%)、4mg 群で4/40例(10.0%)に認められました。そのうち、2例以上に発現した副作用は、プラセボ群で尿中β2ミクログロブリン増加2/39例(5.1%)、ドチヌラド1mg群でβ‒NアセチルDグルコサミニダーゼ増加3/42例(7.1%)、2mg群で尿中β2ミクログロブリン増加、β‒NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、白血球数増加各2/39例(5.1%)、4mg群で尿中β2ミクログロブリン増加、β‒NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、α1ミクログロブリン増加各2/40例(5.0%)でした。
ドチヌラド0.5mg群では、四肢不快感、γ‒グルタミルトランスフェラーゼ増加等が各1/40例(2.5%)に認められました。
死亡例を含む重篤な副作用は認められず、投与中止に至った痛風関節炎を除く副作用は、プラセボ群で尿中β2ミクログロブリン増加が1例に認められました。

一方、痛風関節炎の副作用は、ドチヌラド0.5mg群で1/40例(2.5%)、1mg群で2/42例(4.8%)、2mg群で3/39例(7.7%)及び4mg群で3/40例(7.5%)に認められ、プラセボ群では認められませんでした。
投与中止に至った痛風関節炎の副作用は、ドチヌラド 1mg群で1例に認められました。

  • 注)本薬の薬理効果により血清尿酸値の急激な変動に伴い痛風関節炎が誘発される可能性があることから、痛風関節炎に関しては他の有害事象と別集計とした。
【用法及び用量】

通常、成人にはドチヌラドとして1日0.5mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回2mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回4mgとする。

おすすめコンテンツはこちら

閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる
閉じる