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- Clinical Study:国際共同第Ⅲ相試験(LG-ALCL002試験) 試験の概要
Clinical Study国際共同第Ⅲ相試験(LG-ALCL002試験)
「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は電子添文をご参照ください。
試験の概要「国際共同第Ⅲ相試験(LG-ALCL002試験)(海外データ含む)」
- 持田製薬社内資料(国際共同第Ⅲ相試験)(承認時評価資料)
目的
メトトレキサート(MTX)治療で効果不十分な関節リウマチ(RA)患者を対象に、MTX併用下での本剤の先行バイオ医薬品に対する有効性及び安全性(免疫原性を含む)の同等性/同質性を検討する。また、先行バイオ医薬品から本剤への切替投与における有効性及び安全性を検討する。
試験デザイン
多施設共同(日本:64施設、韓国:32施設)、ランダム化、二重盲検、実薬対照、並行群間比較試験
対象
MTX治療で効果不十分なRA患者383例(本剤継続投与群:192例、先行バイオ医薬品群:191例[先行バイオ医薬品から本剤への切替投与群(以下、切替投与群):96例、先行バイオ医薬品継続投与群:95例])
選択基準
- (1)年齢が満20歳以上75歳以下の患者
- (2)RA罹病期間≧3ヵ月、前観察期にACRの分類基準(1987年改訂)に基づきRAと診断され、ACRの機能障害度分類基準(1991年改訂)に基づきclassⅠ、Ⅱ又はⅢに該当する患者
-
(3)①~③をいずれも満たす患者
- ①前観察期及びベースライン時に疼痛・圧痛関節数(評価関節数68)≧6、かつ腫脹関節数(評価関節数66)≧6
- ②前観察期及びベースライン時にESR≧28mm/hr、又は前観察期にCRP≧1.0mg/dL
- ③前観察期及びベースライン時にDAS28-ESR≧3.2
- (4)12週間前以上からMTXを使用し、初回治験薬投与前4週間は一定量のMTXが投与されるも、(3)に該当する患者 等
除外基準
過去にアダリムマブを投与された患者、2剤以上のbDMARDs*1を投与された患者 等
- *1:bDMARDsの治験に参加していた患者のうち、プラセボのみを投与されていたことが明らかな患者の場合は、1剤とカウントしないこととした。
併用療法
併用必須薬は、MTX(日本では8~16mg/週及び韓国では7.5~20mg/週)*2とし、用量の変更を原則禁止した。経口剤、坐剤又は経皮吸収剤の非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)、鎮痛剤及び副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン換算で10mg/日以下)を併用制限薬とし、治験薬投与4週間前から投与開始24週時点までは用量の変更を原則禁止した。
投与期及び後観察期において、以下に示すRA治療薬及び治療法の併用を禁止した。
- (1)bDMARDs(リツキシマブを含む)
- (2)MTX以外のNon-bDMARDs
- (3)副腎皮質ステロイド剤(静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与又は硬膜外投与)
- (4)血漿交換療法
- (5)RAに対する外科療法
- (6)ヒアルロン酸の関節内投与
- (7)生ウイルスワクチン、生細胞ワクチン
- (8)他の治験薬
- *2:本邦におけるMTXのRAに対する用法・用量は「通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回又は2~3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間、3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。」である。
評価項目
【有効性】
主要評価項目
- ・投与開始24週時点のDAS28-ESRのベースラインからの変化量(検証的解析項目)
副次評価項目
- ・投与開始12、52週時点のDAS28-ESRのベースラインからの変化量
- ・投与開始12、24、52週時点のDAS28-CRPのベースラインからの変化量
- ・投与開始12、24、52週時点のACR20/ACR50/ACR70達成率
- ・投与開始12、24、52週時点のDAS28-ESRの低疾患活動性達成率(DAS28-ESR≦3.2)
- ・投与開始12、24、52週時点のDAS28-ESRの寛解達成率(DAS28-ESR<2.6)
- ・投与開始12、24、52週時点のDAS28-ESRによるEULAR反応
その他の評価項目(PMDAからの照会事項を踏まえ実施した解析)
- ・投与開始12、24、52週時点のBoolean寛解達成率(TJC、SJC、CRP、PtGADA≦1)
- ・投与開始12、24、52週時点のSDAI寛解達成率(SDAI≦3.3)
- ・投与開始12、24、52週時点のCDAI寛解達成率(CDAI≦2.8)
【安全性】
有害事象、バイタルサイン等
解析対象
有効性の解析:
有効性の主要な解析対象集団はFAS1とし、PPS1による解析は、FAS1による解析結果の感度分析を行うために実施した。
FAS1は、ランダム化された患者のうち、以下の条件に合致する患者を含む集団とした。
- (1)治験薬を1度でも投与された患者
- (2)ベースライン時及び少なくとも投与後1時点において、DAS28-ESRのスコアを有する患者
PPS1は、FAS1に含まれる患者のうち、以下の条件に合致する患者を含む集団とした。
- (1)選択基準を満たし、除外基準に抵触しない患者
- (2)ベースライン時及び投与開始24週時点のDAS28-ESRのスコアを有する患者
- (3)投与開始24週時点までの治験薬の投与率が80%以上である患者
- (4)投与開始24週時点のDAS28-ESRの評価の直前の4回の投与のうち、2回以上連続して治験薬を休薬していない患者
- (5)MTXの一時的な1週間の不使用期間の回数が投与開始24週時点において5回以内である患者
- (6)DAS28-ESRの評価に影響を与える重要な治験実施計画書違反をしていない患者
FASによる解析では、投与後の欠測データはLOCFにより補完するが、ベースラインのデータが欠測した場合は補完しないこととした。PPSによる解析では、欠測データは補完しないこととした。
安全性の解析:
主要な安全性解析対象集団は、安全性解析対象集団1とし、安全性解析対象集団1は、以下の条件に合致する患者を含む集団とした。
- (1)治験薬を1度でも投与された患者
- (2)投与後の安全性に関するデータのある患者
すべての安全性の変数は、薬剤グループ又は投与群ごとに記述統計量を用いて要約した。
データが欠測した場合は、補完しないこととした。
有害事象は、MedDRA ver.20.0を用いてコーディングした。
解析計画
投与開始24週時点のDAS28-ESR変化量の薬剤グループ間の差の両側95%信頼区間が同等性許容域(-0.6,0.6)に含まれた場合に、本剤グループと先行バイオ医薬品グループの同等性が検証されたと判断することとした。
DAS28-ESR変化量の薬剤グループ間の差の点推定値及びその両側95%信頼区間は、ANCOVAモデルを用いて算出した。ANCOVAモデルには、因子として薬剤グループ、国及びbDMARDs使用歴の有無を、共変量としてベースライン時のDAS28-ESRを用いた。
さらに、「薬剤グループとベースライン時のDAS28-ESR」、「薬剤グループと国」の交互作用項を主要エンドポイントのANCOVAモデルにそれぞれ追加することにより交互作用を評価した。交互作用項の検定の有意水準には0.10を用いた。交互作用項が統計学的に有意となった場合は、部分集団ごとの記述統計量を用いて、交互作用の特性(質的交互作用、量的交互作用等)を確認することとした。
また、PMDAからの照会事項を踏まえ、以下の解析も実施した。
- ・Boolean寛解率、SDAI寛解率、CDAI寛解率を算出するとともに、これらの項目及び副次評価項目では、「投与群」、「国」、「ベースライン値」、「CRP」を調整因子とした多変量解析モデルによる調整済み群間差の点推定値及び両側95%信頼区間を算出した。
- ・重篤な感染症の発現率に対し、「投与群(本剤継続投与群、先行バイオ医薬品継続投与群)」、「副腎皮質ホルモン剤併用の有無」、「肺疾患の合併の有無」を共変量とした多変量ロジスティック回帰モデルを用いた解析を実施した。
評価基準
DAS28とEULAR反応基準
疼痛・圧痛関節数(28関節が対象)、腫脹関節数(28関節が対象)、患者による疾患活動性の全般的評価(VAS:0-100mm)及びESR又はCRPより、DAS28-ESR又はDAS28-CRPを算出した。DAS28-ESRが3.2以下に達した場合を低疾患活動性達成とし、DAS28-ESRが2.6未満に達した場合を寛解とした。また、各患者の反応性について、EULAR反応基準に従い、「Good response(反応良好)」、「Moderate response(中等度反応)」及び「No response(反応なし)」に分類した。
ACR評価基準
以下の3項目すべてを満たす場合にACR20を達成したと定義した。ACR50及びACR70の達成については、以下の基準の20%をそれぞれ50%及び70%に読み替え定義した。ACR20、ACR50及びACR70の達成の有無は治験依頼者が判定した。
- (1)疼痛・圧痛関節数(評価関節数68)がベースライン時から20%以上の改善が認められること
- (2)腫脹関節数(評価関節数66)がベースライン時から20%以上の改善が認められること
-
(3)以下の5項目のうち、少なくとも3項目においてベースライン時から20%以上の改善が認められること
- 1)患者による疼痛評価(VAS:0-100mm)
- 2)患者による疾患活動性の全般的評価(VAS:0-100mm)
- 3)医師による疾患活動性の全般的評価(VAS:0-100mm)
- 4)患者による身体機能評価(HAQ-DI)
- 5)急性期反応物質(CRP)
Boolean寛解
以下の4項目すべてが1以下の場合にBoolean寛解を達成したと定義した。
- (1)疼痛・圧痛関節数(TJC68:68関節が対象)
- (2)腫脹関節数(SJC66:66関節が対象)
- (3)患者全般評価VAS(PtGADA:cm)
- (4)CRP(mg/dL)
SDAI寛解
以下の5項目の合計が3.3以下の場合にSDAI寛解を達成したと定義した。
- (1)疼痛・圧痛関節数(TJC28:28関節が対象)
- (2)腫脹関節数(SJC28:28関節が対象)
- (3)患者全般評価VAS(PtGADA:cm)
- (4)医師全般評価VAS(PhGADA:cm)
- (5)CRP(mg/dL)
CDAI寛解
以下の4項目の合計が2.8以下の場合にCDAI寛解を達成したと定義した。
- (1)疼痛・圧痛関節数(TJC28:28関節が対象)
- (2)腫脹関節数(SJC28:28関節が対象)
- (3)患者全般評価VAS(PtGADA:cm)
- (4)医師全般評価VAS(PhGADA:cm)
略語
- DAS:Disease Activity Score
- CRP:C-reactive protein
- EULAR:European League Against Rheumatism
- ACR:American College of Rheumatology
- FAS:Full Analysis Set
- PPS:Per Protocol Set
- LOCF:Last Observation Carried Forward
- bDMARDs:Biological DMARDs
- VAS:Visual Analog Scale
- HAQ-DI:Health Assessment Questionnaire-Disability Index