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痛風・高尿酸血症診療 ESSENTIALS 高尿酸血症の病態と診断の画像

痛風・高尿酸血症の病態、疫学、診断、治療などに関する情報をまとめたコンテンツです。
先生方の痛風・高尿酸血症の診療にお役立ていただけますと幸いです。

6.Q&A

無症候性高尿酸血症の治療意義は何ですか?

高尿酸血症が長年持続すると痛風関節炎や痛風結節、腎障害、尿路結石などの尿酸塩沈着に関連する臨床症状が現れる可能性があります。また、尿酸塩沈着が存在しなくても、血清尿酸値高値は高血圧、糖尿病、CKD(慢性腎臓病)、脳・心血管病やメタボリックシンドロームなどの病態の予測因子・危険因子となる可能性も指摘されています1)
生活習慣の改善とともに、合併症のある無症候性高尿酸血症は血清尿酸値8.0mg/dL以上、合併症のない無症候性高尿酸血症は血清尿酸値9.0mg/dL以上で薬物治療を考慮し2)、血清尿酸値の是正が勧められます。

1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018 : 72-3

2)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 2022年追補版 診断と治療社 2022: 28-31

血清尿酸値はどこまで下げるべきですか?

痛風関節炎を繰り返す患者や痛風結節を認める患者では、尿酸塩結晶を融解、消失させるため、体液中での溶解限界と考えられる6.4mg/dLより低い6.0mg/dL以下を目指します1)。大きな痛風結節が生じているなど重症の患者の場合は、血清尿酸値の目標値をさらに低い5.0mg/dL以下にすることが勧められます。

1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 2022年追補版 診断と治療社 2022:28-31

痛風発作の治療と、高尿酸血症の治療のタイミングはいつですか?

痛風発作時の薬物治療に用いられるのは、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、コルヒチン、グルココルチコイドで、いずれの薬物による治療もできるだけ早くに開始し、症状が消失したら速やかに中止します1)
血清尿酸値の急激な低下は痛風発作の原因となり得るため、尿酸降下薬は発作が完全に鎮静化した後、少量から開始することとされます。尿酸降下薬開始後に痛風発作が起こることもあるため、痛風の前兆がわかる人はコルヒチンを使用するよう指導します。

1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 2022年追補版 診断と治療社 2022:14-7

2)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 2022年追補版 診断と治療社 2022:28-31

尿酸降下薬治療中に痛風関節炎が生じたら、尿酸降下薬は中止すべきでしょうか?

尿酸降下薬の服用中に痛風関節炎が生じた場合、尿酸降下薬を中止することなく、投与を継続して痛風関節炎に対する治療を上乗せすることが勧められます1)

1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 2022年追補版 診断と治療社 2022:28-31

血清尿酸値の測定にあたり、測定誤差や生理的変動をどのように考慮すべきでしょうか?

血清中成分の影響により多少のばらつき(測定誤差:±0.1~0.2mg/dL)がみられます。また、普通食の健常者では0.5mg/dL程度の日内変動や1)、食事(プリン体摂取、大豆摂取、飲酒など)や運動後の0.5~2.0mg/dLの上昇がみられることが知られています。
こうした測定誤差や生理的変動を考慮すると、高尿酸血症のスクリーニングを目的とする場合には、恒常的に高尿酸血症(状態)が持続するかどうかを複数回測定して判断する必要があると考えられます。

1)Kanabrocki EL, et al. JAMA 2000;283:2240-1

2)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018:92-4

高尿酸血症患者に対して、具体的にはどのような運動を指導すればよいでしょうか。

高尿酸血症に対する運動療法としては、有酸素運動が推奨されています1)。具体的には、歩行、ジョギング、サイクリング、社交ダンスなどを脈が少し速くなる程度に行います。これらの運動を少なくとも10分以上、合計1日30〜60分くらい行うとよいとされています。
短時間の息が切れるような激しい無酸素運動は、逆に血清尿酸値を上昇させる可能性があるので注意が必要です。

1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 2022年追補版 診断と治療社 2022:56-9

適切な飲酒量についてどのように伝えたらよいでしょうか。

アルコール飲料の中でビールが最も痛風のリスクを高めるので、血清尿酸値への影響を最低限に保つためにも、1日 350~500mL(銘柄によりプリン体含有量が異なる)を目安とします。ウイスキーは60mL、ワインは148mLまでとされています1)

1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 2022年追補版 診断と治療社 2022:56-9

尿酸トランスポーターと高尿酸血症との関連について教えてください。

インスリン抵抗性による高インスリン血症が、近位尿細管のURAT1を介して間接的に尿酸の再吸収を亢進させる病態が知られています1)
高尿酸血症において腎臓からの尿酸排泄低下を引き起こすのに関与する遺伝要因は、GLUT9やABCG2などと推定されています2,3)。腎外排泄低下型の高尿酸血症は、ABCG2の機能低下による腸管からの尿酸排泄低下が関与しています。

1)Kakutani-Hatayama M, et al. Am J Lifestyle Med 2017;11:321-9

2)Matsuo H, et al. Ann Rheum Dis 2016;75:652-9

3)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018 : 95-8

痛風の治療期間はどれくらいでしょうか。

尿酸塩結晶を体内から消失させるためには、血清尿酸値を6.0mg/dL以下に維持することが重要とされます。約5年間6.0mg/dL以下を維持していた痛風患者が尿酸降下治療を中止すると3年以内に約40%の患者で痛風関節炎が再発し、血清尿酸値が高いほど再発時期が短いことが報告されています1)。痛風患者に対しては、長期にわたって血清尿酸値をコントロールする必要性を指導する必要があります。
なお、痛風患者に対して尿酸降下薬を開始する際は、血清尿酸値の降下幅をできるだけ小さくするために最小量の投与量で開始し、1~2ヵ月ごとに漸増することが推奨されています。

1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 2022年追補版 診断と治療社 2022:28-31

高尿酸血症の病型分類について教えてください。

尿中への尿酸排泄能と尿中尿酸排泄量により分類されます。
尿酸排泄低下型、腎負荷型(尿酸産生過剰型および腎外排泄低下型)、混合型に分けられます。尿酸排泄を担うトランスポーターであるABCG2の機能低下により腸管からの尿酸排泄が低下した結果、見かけ上腎臓からの尿酸排泄が増加した病態は腎外排泄低下型と呼ばれ、真の尿酸産生過剰型と合わせて腎負荷型と分類されています。

1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018 : 95-8