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- 選択的尿酸再吸収阻害薬(SURI)としてのユリス®錠の作用機序<後編>
Pick Up
2020年10月28日公開(2022年03月01日一部改訂)
2020年5月、「ユリス®錠」(ドチヌラド)が発売されました。
ユリス®錠は選択的なURAT1阻害作用を有する、選択的尿酸再吸収阻害薬
(Selective Urate Reabsorption Inhibitor:SURI)です。
前編では、高尿酸血症の病態をきたす要因の1つとして、
インスリン抵抗性によるURAT1を介した尿酸再吸収の亢進が考えられることなどを紹介しました。
後編では、SURIとしてのユリス®錠の作用機序について、詳しくご紹介します。


前編のまとめ
高尿酸血症の病態をきたす要因の1つとして、インスリン抵抗性による
URAT1を介した尿酸再吸収の亢進が考えられています。
- 高尿酸血症は、メタボリックシンドロームや肥満と高い頻度で合併することが知られ、これらの病態をきたす要因の1つとして「インスリン抵抗性」の存在が挙げられます。
- インスリン抵抗性は高インスリン血症を招き、間接的に近位尿細管においてURAT1を介した尿酸の再吸収を亢進させると考えられています。その結果、血中尿酸が増加し高尿酸血症の病態をきたす可能性があると考えられます。
ユリス®錠の作用機序
ユリス®錠は、URAT1を選択的に阻害する
選択的尿酸再吸収阻害薬です。
〈SURIとは?〉
〈ドチヌラドのURAT1選択性〉
〈ドチヌラドの作用機序〉
ドチヌラドは、URAT1を選択的に阻害することにより、ABCG2、OAT1、OAT3を介した尿酸の分泌には影響を及ぼさず、URAT1を介した尿酸の再吸収を選択的に抑制し、効率的に血清尿酸値を低下させることが期待されます。
ユリス®錠は、URAT1選択性が高いため、
ABCG2、OAT1、OAT3を介した尿酸分泌経路は阻害せず、
URAT1を介した尿酸再吸収経路を阻害し、
血清尿酸値を低下させると考えられます。
[監修コメント]
市田 公美先生(東京薬科大学 薬学部 病態生理学教室 教授)
ユリス®錠は、選択的なURAT1阻害作用を有する、選択的尿酸再吸収阻害薬です。選択的尿酸再吸収阻害薬は、Selective Urate Reabsorption Inhibitorの頭文字をとってSURI(エス・ユー・アール・アイ)と呼ばれます。ご紹介した内容が、先生方におけるユリス®錠の高尿酸血症に対する作用機序の理解につながるとともに、高尿酸血症治療の一助となりましたら幸いです。