高尿酸血症・痛風は、症状がみられなくなっても治療の継続が求められる疾患です。一方で、実臨床では、さまざまな理由から患者さん自身の判断で受診や治療を中断してしまうケースが少なくありません。多忙であることや通院負担といった理由の他に、例えば痛風発作がおさまり日常生活に支障がなくなってくると、「治療はもう不要ではないか」「症状が出ていないのだから、もう受診しなくてもよいのではないか」と考えて中断したり、再発防止のために通院している患者さんでは、「薬は発作時にだけ飲めばよいのではないか」と考える場合もあります。また、「自分は痛風歴が長いから病気については十分理解している」と、受診や治療の必要性を自身で判断してしまう患者さんもおり、自己中断には注意が必要です。
2023年4月1日から2024年9月30日までの期間に、1年以上通院を中断していたが後に再通院した患者104例(男性100例,女性4例)を対象として当院で行ったアンケート結果では、通院1年未満での通院中断例は25.0%(19/76例)でした1)。急性の痛風関節炎による痛みは耐え難いほど強烈である一方で、多くの場合は発作的であり、次第に痛みは治まってきます。その後、血清尿酸値を安定させると痛風発作の発症頻度も減ることがあるため、患者さんが無症状の時期を「痛みがない=問題がない」と誤解してしまうと、治療継続の意義を見失ってしまうことがあります。
こうした自己中断は再発リスクを高める可能性があるため、医師による「継続的かつ具体的指導」と「患者さんの病識理解」が不可欠となります。そこで本コンテンツでは、背景の異なる2つの患者さん像を例に、日常診療で参考にしやすい自己中断を防ぐための実践的な工夫に焦点を当てて紹介します。
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2026年9月29日公開
- 監修:
- 大山 博司 先生
両国東口クリニック 理事長
帝京大学医学部卒業後、同大学医学部大学院第二内科、田島病院勤務・院長などを経て、2002年より両国東口クリニック理事長。痛風およびリウマチ領域を専門とし、痛風専門外来での診療に従事。医学博士、内科認定医、認定痛風医、リウマチ登録医、認定産業医、身体障害者福祉法第15条に基づく指定医師。日本インターネット医療協議会監事、日本痛風・核酸代謝学会評議員。
2026年9月作成
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