MES編
MESを評価してみよう
治療強化後も排便回数が正常化せず、活動性評価の目的で
内視鏡検査を施行した症例のMayo内視鏡スコア(MES)は?
難易度:★☆☆
【監修】
東京医科歯科大学病院 光学医療診療部 教授 大塚 和朗 先生
【出題・写真提供】
東京医科歯科大学 消化器連携医療学 准教授 藤井 俊光 先生
52歳 男性 潰瘍性大腸炎、全大腸炎型
- 37歳:
- 下痢と血便で発症。前医の内視鏡検査にて、大腸全域にびまん性のびらんと潰瘍を認め、潰瘍性大腸炎の全大腸炎型と診断。寛解導入後に、経口潰瘍性大腸炎治療薬(基準薬)で維持されていた。
- 47歳:
- 再燃したため、再度寛解導入を試みたが効果不十分であり、血球成分除去療法を併用して寛解。その後、基準薬で維持されていた。
- 50歳:
- 再燃後、出血著明で高度貧血により前医で入院するも寛解導入できず、ステロイド抵抗性潰瘍性大腸炎として当院に転院となった。免疫抑制薬で寛解し、免疫調節薬で維持を試みた。
- 51歳:
- 再燃したため、生物学的製剤を導入して軽快。粘液や血便がなく安定したが、4~5回/日の有形軟便が持続。活動性評価の目的で内視鏡検査を行った。
- 罹病期間
- :15年
- 病型
- :全大腸炎型
- 合併症
- :なし
- 併用薬
- :抗菌薬、NSAIDsの服用はなし
- 排便回数
- :5回
- 顕血便
- :なし
- 腹痛
- :なし
- 身長
- :170cm
- 体重
- :45kg
- 体温
- :36.6℃
- 脈拍数
- :58/分
- 血液検査
- :WBC 6900/μL
Hb 12.2g/dL
MCV 95.1fL
Alb 4.2g/dL
CRP 0.23mg/dL
LRG(ロイシンリッチα2グリコプロテイン) 10.3μg/mL