MES編
MESを評価してみよう
23歳時に生物学的製剤の投与開始後、
バイオマーカーが正常化したが寛解とならず、
治療効果判定目的で内視鏡検査を行いました。
この方のMayo内視鏡スコア(MES)は?
難易度:★★☆
【監修】
東京医科歯科大学病院 光学医療診療部 教授 大塚 和朗 先生
【出題・写真提供】
東京医科歯科大学 消化器内科 講師 清水 寛路 先生
25歳 男性 潰瘍性大腸炎患者
- 20歳:
- 左側大腸炎型潰瘍性大腸炎を発症。潰瘍性大腸炎治療薬の内服を開始したところ、症状は改善した。
- 22歳:
- 下痢10行、血便(++)、腹痛と症状が悪化し、他剤に変更して寛解導入を行ったが、薬剤の減量後に症状が増悪した。さらに他剤の併用を開始したが、既存薬の減量に伴い、やはり再燃を繰り返した。
- 23歳:
- 生物学的製剤の投与を開始したところ、軟便4~5回、血便(-)と症状の改善があり、バイオマーカーは正常化した。しかし、腹部膨満が強く、軽度の腹痛と切迫感が続き、QOLの正常化を達成できなかった。
- 24歳:
- 症状が不変であったため、治療効果判定目的で、内視鏡検査を行った。
- 罹病期間
- :4年
- 病型
- :左側大腸炎型
- 合併症
- :なし
- 家族歴
- :特記事項なし
- 併用薬
- :抗菌薬、NSAIDsの服用はなし
- 排便回数
- :4回
- 顕血便
- :(-)
- 体温
- :36.1℃
- 脈拍数
- :85/分
- 血液検査
- :Hb 14.5g/dL
CRP 0.03mg/dL
LRG(ロイシンリッチα2グリコプロテイン)9.4μg/mL - 検便
- :便中カルプロテクチン 22μg/g