鑑別編
内視鏡像を基に診断してみよう
坐剤による薬物治療後も直腸炎の症状が遷延する
患者さんの診断名は?
難易度:★☆☆
【監修】
岩手医科大学 内科学講座消化器内科分野 教授 松本 主之 先生
【出題・写真提供】
岩手医科大学 内科学講座消化器内科分野 特任講師 大泉 智史 先生
56歳 男性
- 下痢と粘血便を主訴に、近医を受診した。近医での大腸内視鏡検査で直腸炎を指摘され、坐剤の処方を受けるも、症状の改善は得られなかった。坐剤は開始より5日間で休薬となり、その後も症状が遷延するため当科紹介となった。
- 当科にて、血液検査および大腸内視鏡検査を施行した。
● 大腸内視鏡検査(直腸)
- 既往歴
- :(35歳時)急性A型肝炎で入院加療
- 内服歴
- :なし
- 家族歴
- :(母親)直腸癌
- 排便回数
- :1日7回
- 顕血便
- :+
- 体温
- :36.8℃
- 脈拍数
- :84回/分
- 海外渡航歴
- :なし
- アレルギー歴
- :なし
- 血液検査
- :WBC 7300/μL
RBC 490万/μL
Hb 14.4g/dL
Alb 4.2g/dL
CRP 0.12mg/dL