持田製薬株式会社

医療関係者向けサイト

持田製薬株式会社

医療関係者向けサイト

ご利用の注意

・このサイトに掲載している情報は、弊社医療用医薬品を適正にご使用いただくためのものであり、広告を目的とするものではありません。

・日本国内の医療関係者(医師、薬剤師等)を対象としております。
 国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承ください。

・このサイトで提供している以外の弊社医療用医薬品の情報をお求めの方は、弊社MR、またはくすり相談窓口までお問い合わせください。

会員限定コンテンツのご利用について

会員の方

会員限定コンテンツのご利用には
medパスIDが必要となります。

会員登録されていない方

対象の職種をお選びください。
会員限定コンテンツ以外を
ご利用いただけます。

会員限定コンテンツのご利用には
medパスIDが必要となります。

新規会員登録はこちら

※外部サイトへ移動します
medパスのご紹介はこちら

医療関係者ではない方(コーポレートサイトへ

持田製薬株式会社

医療関係者向けサイト

ご利用の注意

・このサイトに掲載している情報は、弊社医療用医薬品を適正にご使用いただくためのものであり、広告を目的とするものではありません。

・日本国内の医療関係者(医師、薬剤師等)を対象としております。
 国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承ください。

・このサイトで提供している以外の弊社医療用医薬品の情報をお求めの方は、弊社MR、またはくすり相談窓口までお問い合わせください。

対象の職種をお選びください。

医療関係者ではない方(コーポレートサイトへ

心電図クイズ

鹿児島大学 編

心室細動蘇生後の20歳男性

難易度

出題:
  • 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学(現:枕崎市立病院 副院長) 
    市來 仁志 先生
症 例
20歳,男性
主 訴
心室細動蘇生後
現病歴
午前4時30分ごろ,フェリー乗船中(睡眠中)に突然うめき声を上げて心肺停止の状態になったため,たまたま乗り合わせていた看護師により蘇生が行われた。この際のAEDにて心室細動が記録されており,心室細動蘇生後に対する植え込み型除細動器(ICD)植え込み目的にて当院へ紹介入院となった。入院時の12誘導心電図をに示す。
既往歴
失神の既往(−)
家族歴
父親が32歳時に夜勤中に突然死
身体所見
身長174.8cm,体重65.2kg,血圧130/80mmHg,脈拍60/分・整,心雑音なし,呼吸音異常なし,腹部異常なし
検査成績
採血:電解質異常なし(K:4.1mEq/L)
心臓超音波検査:特記異常所見なし(LVEF 62.0%)
加算平均心電図:Late potential陰性

図.入院時の12誘導心電図

心室細動,QRS終末部に注目

早期再分極(J波)症候群

解 説

本症例の心電図と経過

入院後に施行した冠動脈CTにて冠動脈に有意狭窄は認められず,心臓MRIではガドリニウム遅延造影は認められなかった。入院時の心電図で,aVL,V3~6のST上昇およびノッチが認められ,心室細動蘇生後であること,心室細動の原因となりうる基礎疾患が認められないこと,若年性突然死の家族歴から,J波症候群と診断した。心室細動蘇生後であることから,本人と家族に十分説明をした上でICD植え込みを施行した。退院5カ月後に心室細動に対するICDの頻回作動があり,入院時にシロスタゾール100mg/日の定期内服を開始した。現在,内服治療下に心室細動は認められず,経過観察中である。

J波症候群について

J波の定義については,「ST-T接合部の上昇,QRS終末部に見られるノッチやスラーで,近接する2誘導以上で0.1mV以上の上昇を示すもの」とされている。健常者でのJ波所見の出現頻度は3~20%程度であり,これまでは良性所見と考えられてきた。しかし,特発性心室細動の患者にJ波所見が高率に認められることが判明したことから,「早期再分極(J波)症候群」と呼ばれるようになった。J波症候群は,心電図上のJ波所見を認める誘導により,type 1~ type 3に分類されている(1)

また,J波症候群とBrugada症候群は,かなりoverlapする疾患と考えられているが,薬物に対する反応にやや相違が見られる(1)。下壁誘導(,aVF)のJ波は側壁誘導(,aVL,V4~6)のJ波と比較してリスクが高く,特に下壁誘導にて0.2mV以上のJ波が認められる場合は,J波を有さない症例と比較して不整脈による死亡が2.92倍と高リスクであることが報告されている。

治療は,心室細動蘇生例に対しては原則としてICD植え込みが適応され,electrical storm時はイソプロテレノールの点滴静注が有効であり,慢性期のVF抑制にキニジンやシロスタゾールが高い有効性を持つことが報告されている。

文献
  1. 1)Tikkanen JT, et al. N Eng J Med 2009; 361: 2529-37.

表.早期再分極(J波)症候群の分類

関連コンテンツ

  • 心音クイズ