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Information
作用機序
PAHの病態は、発症初期には高度の肺動脈攣縮が生じ、その後これに器質化病変が加わり、肺高血圧症が固定化すると考えられている1)。現在使用できる特異的肺血管拡張薬は、作用機序から3系統の経路、PGI2経路、NO-可溶性グアニル酸シクラーゼ-cGMP経路、ET経路に作用する薬剤に大別される2)。また、ILD-PHの病因として、低酸素性肺血管攣縮、肺実質障害に伴う細動脈・毛細血管の圧排・閉塞(肺血管床の減少)、血管壁のリモデリングなどが挙げられ3〜6)、加えて、IPF合併肺高血圧症の病態には肺静脈病変が寄与しているとの報告がある3,7)。PGI2誘導体製剤であるトレプロスチニルは、血管拡張作用及び血小板凝集抑制作用により、肺動脈の収縮及び血栓形成を抑制し、肺動脈圧及び肺血管抵抗を低下させることで、PAH及びILD-PHに対する有効性を示すと考えられる。
- 1)中西宣文 他:肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)
- 2)中村一文 他:Cardiovascular Anesthesia. 2021; 25(1): 7-12
- 3)福田恵一 他:肺高血圧症治療ガイドライン(2017年改訂版)
- 4)Weitzenblum E, et al.: Respiration. 1983; 44(2): 118-127
- 5)Renzoni EA, et al.: Am J Respir Crit Care Med. 2003; 167(3): 438-443
- 6)Sturani C, et al.: Respiration. 1986; 50(2): 117-129
- 7)Colombat M, et al.: Hum Pathol. 2007; 38(1): 60-65
略語一覧
- IPF:特発性肺線維症
2024年9月作成
17050-6/N5 B2 GMJ