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Information
毒性試験
反復投与毒性試験(ラット)1)
6週齢の雌雄Crl:CD(SD)系ラットに本剤又はジーラスタ®を100及び1,000μg/kgの用量で週1回、4週間間欠皮下投与した。対照群として、溶媒を投与する溶媒対照群を設定した。各群雌雄各10匹とし、各1,000μg/kg投与群では最終投与の翌日より28日間休薬する回復群(各群雌雄5例)を設定した。
いずれの群においても、投与及び回復期間を通して死亡例の発生はなく、一般状態、体重、摂餌量、眼科学的検査及び尿検査で異常は認められなかった。
本剤投与群において薬理作用(顆粒球コロニー形成刺激作用)に関連する変化として、血液学的検査では白血球、好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球、単球、大型非染色細胞の高値、骨髄検査では前骨髄球及び好中球数の高値、器官重量測定では脾臓の腫大を伴う重量の増加、病理組織学的検査では骨髄における顆粒球系の造血亢進、肝臓及び脾臓における顆粒球系の髄外造血並びに、大腿骨における限局性の内骨膜性骨過形成が認められた。
上記に加え、本剤の薬理作用に起因した二次的変化として、血液学的検査では網状赤血球率の高値、赤血球数、ヘモグロビン濃度及びヘマトクリット値の低値、MCV(平均赤血球容積)の高値、骨髄検査では多染性及び正染性赤芽球の低値、M/E比(骨髄球系/赤芽球系比)の高値、病理組織学的検査では脾臓及び肝臓における赤芽球系の髄外造血が認められたが、いずれも毒性学的意義が乏しいものと判断した。
その他、骨髄検査において有核細胞数及びリンパ球数の低値、病理組織学的検査において脾臓におけるマクロファージの増加及び巨核球系の髄外造血、血液生化学的検査においてAl-P活性の高値並びにグルコース及びカリウムの低値が認められたが、全身への影響及び組織傷害性変化が認められなかったこと、一部の変化については本剤の薬理作用に起因したものと推察されたことから、いずれも毒性学的意義が乏しいものと判断した。
投与期間中に認められたこれらの変化については、いずれも回復性があるものと判断した。
本剤投与群で認められたこれらの変化はいずれもジーラスタ®投与群でも認められ、変化の発現頻度及び程度は両群で同様であった。また、両群のTK(トキシコキネティクス)パラメータは同程度であり、抗薬物抗体はジーラスタ®投与群の1例を除き、産生されなかった。
以上より、本剤及びジーラスタ®の毒性学的性質は同等/同質であると考えられ、本剤及びジーラスタ®の無毒性量は雌雄ともに1,000μg/kgと推察された。
局所刺激性試験(ラット)1)
上記の反復投与毒性試験における投与部位の病理組織学的検査により、本剤の局所刺激性を評価した。本剤投与群の投与部位に軽度な変化(出血、炎症細胞浸潤)が観察されたものの、変化の種類と程度は対照群及びジーラスタ®投与群と類似していた。
- 1)持田製薬社内資料:毒性試験-ペグフィルグラスチムBSのラットにおける4週間間欠皮下投与毒性試験-