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- Clinical Study:国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(エポプロステノール未使用例を対象とした試験:皮下投与又は静脈内投与試験) 試験の概要
Clinical Study国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(エポプロステノール未使用例を対象とした
試験:皮下投与又は静脈内投与試験)
試験の概要「国内第Ⅱ/Ⅲ相試験
(皮下投与又は静脈内投与試験;MD070123P21試験)1,2)
エポプロステノール未使用例を対象とした試験」
- 1)持田製薬社内資料:国内患者対象試験(2014年3月24日承認、CTD 2.7.6.7.1)<承認時評価資料>
- 2)大森庸子ほか:Prog Med 34, 333-348(2014)
[利益相反:共同執筆者(京谷晋吾)は、トレプロスチニルのPAHの治験の医学専門家を務めた。
また、著者に持田製薬株式会社の社員が含まれている。本論文の作成、出版に関する費用は持田製薬株式会社が負担した。]
「警告、禁忌を含む使用上の注意」等は添付文書をご参照ください。
試験デザイン
多施設共同、非盲検、非ランダム化、非対照試験
目的
トレプロスチニルの持続皮下投与又は持続静脈内投与における有効性、安全性及び薬物動態を検討した。
対象
16~64歳の特発性/家族性又は膠原病性血管疾患に伴うPAH患者15例
- WHO機能分類クラスⅡ~Ⅳ
- 6分間歩行距離:50m≦歩行距離≦450m
- 右心カテーテル検査:安静時平均肺動脈圧>25mmHg、肺毛細血管楔入圧<15mmHg、肺血管抵抗>3mmHg・分/L
投与方法
トレプロスチニルの開始用量を1.25ng/kg/分とし、PAHの徴候及び症状、有害事象に基づいて用量を調整した。1日24時間、連日12週間、注入ポンプを用いて持続皮下投与又は静脈内投与した。持続皮下投与の場合は、腹部などに皮下投与し、静脈内投与の場合は、中心静脈カテーテルを留置して、中心静脈内へ投与した。ただし、緊急の場合のみ末梢静脈内への投与を許容した。また、有害事象の発現により皮下投与あるいは静脈内投与の継続が困難な場合のみ、投与経路の変更を許容した。
投与スケジュール
減量する場合は、原則、1週間当たり2.5ng/kg/分以下とした。ただし、有害事象の発現やトレプロスチニルの投与を中止し、他のPAH治療の開始が必要となるなど、緊急を要する場合は、急激な減量に伴うリバウンドに注意しながら、1週間当たり2.5ng/kg/分を超えた減量を許容した。
- *1:登録期における最初の有効性及び安全性評価(有害事象を除く)実施から治験薬投与開始まで最大2週間とした。
- *2:忍容性に問題が認められた場合は0.625ng/kg/分に減量した。
評価項目
略語一覧
- PVRI:肺血管抵抗係数
- CI:心係数
- PAPm:平均肺動脈圧
- HR:心拍数
- CO:心拍出量
- PAPs:収縮期肺動脈圧
- PAPd:拡張期肺動脈圧
- PCWP:肺毛細血管楔入圧
- RAPm:平均右心房圧
- SvO2:混合静脈血酸素飽和度
- SpO2:経皮的動脈血酸素飽和度
- SAPm:平均全身動脈圧
- PVR:肺血管抵抗
- SVR:体血管抵抗
- SVRI:体血管抵抗係数
- TPR:全肺抵抗
- TPRI:全肺抵抗係数
- SV:一回拍出量
- SI:一回拍出係数
安全性評価項目
有害事象、他
- a:10~12週の間で投与経路変更時の観察、検査及び評価を実施した場合、12週後の観察、検査及び評価の実施は不要。
- b:同意取得前6週間以内に6分間歩行試験を実施した経験がない場合は、6分間歩行の練習を実施してから行った。
- c:臨床症状の悪化による次のいずれかのイベント:「併用禁止薬及び併用禁止療法の使用、又は併用禁止薬及び併用禁止療法使用のための中止」、「最初の入院」、「死亡」。
解析計画
(主要評価期のみについて記載)
(1)有効性の評価項目
- 1)主要評価項目:6分間歩行距離の変化量および血行動態パラメータ(CI、PAPm、PVRI)の変化量について中央値[25%点-75%点]を算出した。
- 2)副次評価項目:修正ボルグスケールの変化量、EQ-5Dスコア、主要評価項目以外の血行動態パラメータおよびPAH症状の改善スコアの変化量について、中央値[25%点-75%点]を算出した。また、WHO機能分類の変化、PAH症状の変化について割合を算出した。