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ユリス®錠 Pick Up

2025年07月22日公開

STEP UP!痛風・高尿酸血症診療 CKDを伴う高尿酸血症患者における尿酸コントロールの意義

近年の研究から、慢性腎臓病(CKD)と高尿酸血症は密接に関係していることがわかってきています1)。慢性腎臓病患者において、血清尿酸値高値は腎障害進展に関連すると考えられています1)
そこで今回は、高尿酸血症と腎機能の関係について、ガイドラインの記載を紹介するとともに、高尿酸血症患者さんへの薬物治療について、298例を対象として糸球体濾過量(GFR)区分別に検討した実臨床での研究報告をご紹介します。

Contents

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高尿酸血症と腎機能の関係:
ガイドラインの記載

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版1)

1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018:78-80

説明画像1

『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版』には、最近の研究成績から高尿酸血症は痛風の基礎病態であるばかりではなく、高血圧やCKD、心血管病と密接に関係することがわかってきており、これは高尿酸血症が尿酸結晶沈着を介さずに尿酸の直接作用(酸化促進作用、内皮機能障害、レニン・アンジオテンシン系の活性化、糸球体前の血管障害、腎尿細管細胞の上皮間葉転換など)によりもたらされると考えられていることが記されています。

CKDステージG3b~5 診療ガイドライン 2017(2015追補版)2)

2)平成27~29年度日本医療研究開発機構委託研究「慢性腎臓病(CKD)進行例の実態把握と透析導入回避のための有効な
指針の作成に関する研究」腎障害進展予防と腎代替療法へのスムーズな移行 CKDステージG3b~5診療ガイドライン2017
(2015 追補版)日腎会誌 2017;59:1093-216

説明画像2

『CKDステージG3b~5診療ガイドライン2017(2015追補版)』では、推算糸球体濾過量(eGFR)が45mL/分/1.73m2未満の腎機能障害を認める患者さんにおいては、高尿酸血症がeGFRのさらなる低下の独立したリスクファクターであること、さらに、血清尿酸値が男性で7.0mg/dL以上、女性で6.0mg/dL以上の場合は末期腎疾患(ESKD)の独立したリスクファクターであると報告されていることが記されています。
治療については、CKDステージG3b~5の患者さんでは、無症候性であっても血清尿酸値が7.0mg/dLを超えたら生活指導、8.0mg/dL以上から薬物治療開始を推奨すること、また治療開始後は6.0mg/dL以下を維持することが望ましいと記されています。

「禁忌を含む注意事項等情報」等は電子添文をご参照ください。

高尿酸血症患者さんへの薬物治療:
GFR区分別の検討

大阪府済生会中津病院からの報告3)

GFR区分別の高尿酸血症患者におけるドチヌラドの有効性
および安全性の検討

(GFR区分別の検討):後ろ向き観察研究

3)嶋津啓二, 他 診療と新薬 2024 ; 61 : 689-700
 [利益相反]本研究は持田製薬株式会社及び株式会社富士薬品の資金により行われた。

説明画像3

本研究は、GFR区分G1~G5に分類可能な高尿酸血症患者さんを対象としてユリス投与の影響を検討した単施設後ろ向き観察研究です。
調査対象期間(2019年1月1日~2023年11月30日)の診療録から、大阪府済生会中津病院でユリスを投与された患者さんのうち適格基準を満たし、かつ、投与開始時の血清尿酸値が6.0mg/dLより大きい298例を抽出しました。そして、ユリスの初回投与日を起点日として、前後18ヵ月の範囲内のデータを解析しました。

※ユリスの電子添文には、重度の腎機能障害患者に対しては「他剤での治療を考慮すること」と記載されています。

説明画像4

ただし本研究には、後ろ向き観察研究であること、正確なユリス投与量が得られなかったこと、単施設のみの結果であること、といった限界があることに注意が必要です。

説明画像5
説明画像6

患者背景は、スライドに示すとおりでした。
GFR区分別の症例数は、G1、G2が51例(17.1%)、G3aが70例(23.5%)、G3bが87例(29.2%)、G4が64例(21.5%)、さらに末期腎不全であるG5の患者さんも26例(8.7%)含まれていました。
また、新規・切替・併用として、ユリス投与開始時におけるステータス別の解析も行いました。他剤からの切替または他剤併用の患者さんが約28%含まれていました。

血清尿酸値

血清尿酸値6.0mg/dL以下達成割合(ユリス投与12ヵ月後)[主要評価項目]
説明画像7

ユリス投与12ヵ月時点における血清尿酸値6.0mg/dL以下達成割合の点推定値(95%信頼区間)は、全体では56.8(50.0-63.4)%でした。
投与開始時のGFR区分別(サブグループ解析)では、G1、2で58.7(44.4-71.7)%、G3aで49.4(34.8-64.1)%、G3bで55.8(40.0-70.4)%、G4で65.3(52.8-75.9)%、G5で46.0(25.1-68.4)%でした。投与開始時のGFR区分による傾向の違いは認めませんでした[p for interaction=0.642(名目上のp値)、一般化推定方程式による解析に、投与開始時点におけるGFR区分と時点を表す変数との交互作用項を含むモデルを用いた解析を実施]。

血清尿酸値の推移[その他の評価項目]
説明画像8

[全体]

血清尿酸値の点推定値(95%信頼区間)は、投与開始時8.25(8.04-8.46)mg/dLから、3ヵ月後6.79(6.66-6.93)mg/dL、6ヵ月後6.58(6.43-6.74)mg/dL、12ヵ月後6.10(5.97-6.22)mg/dLへと有意に低下しました[p<0.001 vs ベースライン(名目上のp値)、線形混合効果モデル]。

説明画像9

[新規・切替・併用別(サブグループ解析)]

新規症例は投与開始時8.34(8.09-8.58)mg/dLから12ヵ月後5.98(5.83-6.14)mg/dLへ、切替症例は投与開始時7.98(7.45-8.51)mg/dLから12ヵ月後6.27(5.98-6.56)mg/dLへ、併用症例は投与開始時8.07(7.49-8.64)mg/dLから12ヵ月後6.32(6.01-6.63)mg/dLへと有意に低下しました[p<0.05 vs 各ベースライン(名目上のp値)、線形混合効果モデル]。
また、新規、切替、併用による傾向の違いが認められました[p for interaction<0.001(名目上のp値)、線形混合効果モデルによる解析に、投与開始時点における開始時ステータスと時点を表す変数との交互作用項を含むモデルを用いた解析を実施]。

eGFRスロープの変化

eGFRスロープのユリス投与前後の変化:全体[その他の評価項目、参考情報]
説明画像10

ユリス投与開始前の1ヵ月あたりのeGFRスロープの推定値は-0.461でしたが、投与開始後は1ヵ月あたり-0.095となり、eGFRの低下は有意に抑制されました[p for trend change<0.001 vs 投与開始前(名目上のp値)、線形混合効果モデル]。

eGFRスロープのユリス投与前後の変化:GFR区分別(サブグループ解析)
[その他の評価項目、参考情報]
説明画像11

GFR区分別の解析では、G3a、G3b、G4の患者さんで投与開始後にeGFR低下が有意に抑制されました[p for trend change<0.05 vs 投与開始前(名目上のp値)、線形混合効果モデル]。

eGFRスロープのユリス投与前後の変化:新規・切替・併用別(サブグループ解析)
[その他の評価項目、参考情報]
説明画像12

投与開始時ステータス別の解析では、新規・切替の患者さんで投与開始後にeGFR低下が有意に抑制されました[p for trend change<0.05 vs 投与開始前(名目上のp値)、線形混合効果モデル]。

安全性

説明画像13

イベントは、痛風発作が5例(1.7%)、心血管合併症が6例(2.0%)、透析導入が18例(6.0%)に認められました。ただし、いずれもユリスとの因果関係はありませんでした。
また、投与開始後の肝機能の変化については、スライドの表のとおりでした。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意(一部抜粋)
9.2 腎機能障害患者 9.2.1 重度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)
他剤での治療を考慮すること。本剤は腎近位尿細管において作用するため、腎機能障害の程度に応じて、有効性が減弱する可能性がある。特に、乏尿又は無尿の患者においては、有効性が期待できないことから、本剤の投与は避けること。
なお、臨床試験では、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者は除外されている。

ユリス開発時の臨床試験成績

相試験(長期投与試験)4,5)

4)社内資料:第相長期投与試験[2020年1月23日承認、CTD 2.7.6.17、CSR FYU-981-010(資料5.3.5.2-1)]〔承認時評価資料〕

5)Hosoya T, et al. Clin Exp Nephrol 2020;24:S80-91

[利益相反]本研究は株式会社富士薬品の資金により行われた。本論文の著者のうち4名は株式会社富士薬品の社員である。
著者には、本研究に関する株式会社富士薬品のアドバイザーでありコンサルタント料等を受領している者が含まれる。

説明画像14

腎機能低下者を対象としたものではありませんが開発時に行われた第相試験における、ユリス長期投与による血清尿酸値低下作用についてご紹介します。
試験概要はスライドのとおりで、痛風を含む高尿酸血症患者さんを対象にユリスを58週間投与し、前向きに血清尿酸値低下率や安全性などを評価しました。

各時点の血清尿酸値低下率[主要評価項目;FAS解析対象]
説明画像15

各時点(投与2週後以降、58週後まで4週ごと)における投与前値からの血清尿酸値低下率(平均値±標準偏差)は、投与34週後では、ユリス全体で47.83±10.85%、2mg投与例で46.73±10.77%、4mg投与例で54.92±8.58%、投与58週後では、ユリス全体で48.43±11.38%、2mg投与例で47.17±11.18%、4mg投与例で57.35±8.73%でした。投与10週後から投与58週後まで、ユリス全体の血清尿酸値低下率の平均値は44.99%~49.71%の間で推移しました。いずれの投与量も、全ての時点で、投与前値との比較において有意差が認められました(名目上のp<0.001、1標本t検定)。

各時点及び投与終了時の血清尿酸値[副次評価項目;FAS解析対象]
説明画像16

各時点(投与2週後以降、58週後まで4週ごと)及び投与終了時における血清尿酸値(平均値±標準偏差)は、スライドのとおりに推移し、投与34週後では、ユリス全体で4.57±1.06mg/dL、2mg投与例で4.61±1.08mg/dL、4mg投与例で4.35±0.90mg/dL、投与58週後では、ユリス全体で4.55±1.09mg/dL、2mg投与例で4.59±1.10mg/dL、4mg投与例で4.22±0.95mg/dLでした。

安全性[SP解析対象]
説明画像17

本試験における安全性は、スライドに示すとおりでした。副作用は、ユリス2mg投与例で52/277例(18.8%)、4mg投与例で15/43例(34.9%)に認められました。その他の安全性の結果の詳細は、スライドをご参照ください。

6. 用法及び用量
通常、成人にはドチヌラドとして1日0.5mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回2mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回4mgとする。

まとめ

  • 高尿酸血症は、尿酸の直接作用により高血圧やCKD、心血管病と密接に関係することがわかってきています1)

  • CKDステージ3b以降の患者さんにおける高尿酸血症と腎機能の関係について、ガイドラインには「45mL/分/1.73m2未満の腎機能障害を認める群においても、高尿酸血症がeGFRのさらなる低下の独立したリスクファクターであること、さらに、7.0mg/dL以上の尿酸値(女性においては6.0mg/dLでも)はESKDの独立したリスクファクターであることを報告している。」との記載があります2)

  • GFR区分別の高尿酸血症患者におけるユリスによる治療について検討した後ろ向き観察研究の結果が報告されています3)

  • 開発時の第相試験において、ユリス長期投与時の有効性と安全性について検討されました4, 5)

1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018:78-80

2)平成27~29年度日本医療研究開発機構委託研究「慢性腎臓病(CKD)進行例の実態把握と透析導入回避のための有効な指針の作成に関する研究」腎障害進展予防と腎代替療法へのスムーズな移行 CKDステージG3b~5診療ガイドライン2017(2015 追補版) 日腎会誌 2017;59:1093-216

3)嶋津啓二, 他 診療と新薬 2024 ; 61 : 689-700
[利益相反]本研究は持田製薬株式会社及び株式会社富士薬品の資金により行われた。

4)社内資料:第相長期投与試験[2020年1月23日承認、CTD 2.7.6.17、CSR FYU-981-010(資料5.3.5.2-1)]〔承認時評価資料〕

5)Hosoya T, et al. Clin Exp Nephrol 2020;24:S80-91
[利益相反]本研究は株式会社富士薬品の資金により行われた。本論文の著者のうち4名は株式会社富士薬品の社員である。
著者には、本研究に関する株式会社富士薬品のアドバイザーでありコンサルタント料等を受領している者が含まれる。

2025年7月作成

17941-1/N6 52 GT

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