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ユリス®錠 Pick Up

2025年09月24日公開

CKDを伴う高尿酸血症の病態・治療、ユリスの臨床データ

世界的に大きく注目されている疾患である慢性腎臓病(CKD)は、尿酸排泄の低下から高尿酸血症をもたらしうると考えられています。ではCKDを伴う高尿酸血症はどのように治療したらよいでしょうか。
ここではCKDを伴う高尿酸血症の病態と、尿酸降下薬の一つであるユリスについて、選択的尿酸再吸収阻害薬(SURI)としての作用機序と、ユリス開発時及び実臨床下における臨床データについてご紹介します。

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CKDを伴う
高尿酸血症の病態

CKDが注目されている理由1)

1)日本腎臓学会編 CKD診療ガイド2024 東京医学社 2024:iv

説明画像01

CKD診療ガイド2024において、慢性腎臓病(CKD)は世界的に大きく注目されており、その理由としてCKDは①患者の健康に対する脅威となること、②患者数が多いこと、③治療可能な疾患であること、が記されていま1)

CKDが高尿酸血症をもたらす想定機序2, 3)

2)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018:95-8

3)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018:78-80

説明画像02

尿酸はヒトにおけるプリン体代謝の最終産物です。尿酸排泄の主な経路は腎臓であり、約2/3が尿中に排泄され、残りのほとんどは糞便から排泄されます2)。血清尿酸値は尿酸の産生と排泄のバランスにより一定に保たれていますが、このバランスが崩れ産生が過剰になったり排泄が低下したりすると、高尿酸血症が起きます。
CKDは、尿酸排泄の低下から高尿酸血症をもたらしうると考えられていま3)

腎機能と尿酸排泄経路の重要性の変化4, 5)

4)Yano H, et al. Clin Exp Nephrol 2014;18:50-5

5)Bhatnagar V, et al. Clin Kidney J 2016;9: 444-53

説明画像03

CKD患者では、腎機能正常者に比べてABCG2による腸管からの排泄が尿酸コントロールに補完的な役割を果たしている可能性が示されていま4, 5)

ユリスの作用機序

ユリスの作用点(概念図)とURAT1阻害比in vitro6, 7)

6)社内資料:ヒトABCG2、OAT1及びOAT3発現細胞を用いた尿酸取り込み阻害試験(CTD 2.6.2.2)

7)Taniguchi T, et al. J Pharmacol Exp Ther 2019;371:162-70

[利益相反]本文献の著者のうち8名は株式会社富士薬品、2名は持田製薬株式会社の社員である。

説明画像04

ユリスはURAT1選択性が高く、ABCG2、OAT1、OAT3を介した尿酸分泌経路の阻害作用は弱く、URAT1を介した再吸収経路を阻害する選択的尿酸再吸収阻害薬(SURI)で6, 7)

「禁忌を含む注意事項等情報」等は電子添文をご参照ください。

ユリスの臨床データ

後期第Ⅱ相試験は一部承認外の用法及び用量による成績が含まれますが、
用量反応検証試験として実施されたため掲載します。

ユリスの血清尿酸値低下作用
[後期第Ⅱ相試験(用量反応性試験)]8, 9)

8)社内資料:用量反応検証試験・後期第Ⅱ相臨床試験[2020年1月23日承認、CTD 2.7.6.14、CSR FYU-981-006(資料5.3.5.1-2)]
〔承認時評価資料〕

9)Hosoya T, et al. Clin Exp Nephrol 2020;24:S53-61

[利益相反]本研究は株式会社富士薬品の資金により行われた。本論文の著者のうち4名は株式会社富士薬品の社員である。
著者には、本研究に関する株式会社富士薬品のアドバイザーでありコンサルタント料等を受領している者が含まれる。

説明画像05

本試験は、痛風を含む高尿酸血症患者さんにユリスを12週間投与し、前向きに血清尿酸値低下率、安全性などを評価した、多施設共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、用量漸増並行群間比較試験で8, 9)
その他、試験概要の詳細は右のスライドをご参照ください。

投与終了時の血清尿酸値低下率(主要評価項目;FAS解析対象、LOCF)
説明画像06

ユリス投与終了時の投与前値からの血清尿酸値低下率(平均値±標準偏差)は、プラセボ群で-2.38±8.19%、ユリス0.5mg群で21.81±11.35%、1mg群で33.77±9.82%、2mg群で42.66±13.16%、4mg群で61.09±8.75%であり、ユリスの用量反応性が検証されました([主解析]p<0.001、Jonckheere-Terpstra検定)8, 9)
また、群間比較では、いずれの群間においても有意差が認められました(ユリス1mg群 vs. 2mg群:名目上のp=0.002、その他の群間:名目上のp<0.001、Tukey-Kramer検定)8, 9)

安全性(SP解析対象)
説明画像07

副作用は、プラセボ群で6/39例(15.4%)、ユリス0.5mg群で6/40例(15.0%)、1mg群で8/42例(19.0%)、2mg群で7/39例(17.9%)、4mg群で7/40例(17.5%)に認められまし8, 9)。死亡例を含む重篤な副作用は認められず、投与中止に至った副作用はプラセボ群で1例に尿中β2ミクログロブリン増加が、ユリス1mg群で1例に痛風関節炎が認められまし8, 9)
その他の安全性の結果に関する詳細は、右のスライドをご参照ください。

6. 用法及び用量
通常、成人にはドチヌラドとして1日0.5mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回2mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回4mgとする。

eGFR区分G1~G4の高尿酸血症患者における
ユリスの臨床研10, 11)

10)Tanabe K, et al. Kidney Int Rep 2025;10:1711-20

11)Tanabe K, et al. Kidney Int Rep 2025;10:1711-20(Supplemental Material)

[利益相反]本研究は持田製薬株式会社及び株式会社富士薬品の資金により行われた。すべての著者は、原稿執筆の支援を含め、
本試験の実施期間中、持田製薬株式会社及び株式会社富士薬品から資金援助を受けている。

説明画像08

本試験は、eGFR区分G1~G4の高尿酸血症患者さんにユリスを投与し、前向きにユリスの有効性と安全性を評価した、非無作為化、並行介入試験で10)
ユリスは1日1回、1日0.5mgで投与開始して2mgまで増量し、血清尿酸値6.0mg/dL以下に達しない場合は最大4mgまで漸増しました。
その他、試験概要の詳細や本試験の限界は右のスライドをご参照ください。

説明画像09
説明画像10
患者背景
説明画像11

患者背景の詳細は右のスライドのとおりでした。
G1/G2群とG3/G4群で例数はそれぞれ50例と48例、血清尿酸値(平均値、mg/dL)は8.6と8.9、eGFR(平均値、mL/min/1.73m2)は78.1と38.0でし10)

ユリスの最終投与量
説明画像12

本試験では、ユリスを1日1回0.5mg/日で投与開始して2mg/日まで増量し、血清尿酸値6.0mg/dL以下に達しない場合は最大4mg/日まで漸増しました。
ユリスの最終投与量別の患者割合は、4mg/日15.3%(15/98例)、3mg/日7.1%(7/98例)、2mg/日75.5%(74/98例)、1mg/日1.0%(1/98例)、0.5mg/日1.0%(1/98例)でし10)
また、プロトコール遵守治療開始100例におけるeGFR区分G1~G4別のユリス最終投与量別の患者割合は右のスライドのとおりで、いずれの群においても2mg/日以上の患者が9割以上を占めていまし10)

主要評価項目[24週目(LOCF)]/副次評価項目[4、8、12、24週目(PPS)]

血清尿酸値変化率(G1/G2群、G3/G4群別)
説明画像13

24週目の血清尿酸値変化率(95%CI)は、G1/G2群47.2%(43.6%~50.8%)、G3/G4群42.8%(39.1%~46.4%)でした。群間差(95%CI)は-4.3%(-9.5%~0.9%、非劣性のp値=0.0321、共分散分析、探索的な解析結果)であり、95%CIの下限が-10%を超えていたことから、G3/G4群のG1/G2群に対する非劣性が認められまし10)

副次評価項目

血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率(G1/G2群、G3/G4群別)
説明画像14

24週目における目標血清尿酸値である6.0mg/dL以下の達成率は、G1/G2群94%、G3/G4群72%でし10)

副次評価項目(参考情報)

ベースラインと24週目の腎機能関連パラメータ及びその変化量(G1/G2群、G3/G4群別)
説明画像15

ベースラインと24週目のeGFR、尿蛋白/クレアチニン比、尿アルブミン/クレアチニン比及び24週目までの変化量は、右のスライドのとおりでし10, 11)

副次評価項目、サブグループ解析

血清尿酸値変化率、血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率(eGFR区分G1~G4別)
説明画像16

各評価時点におけるeGFR区分G1~G4別血清尿酸値変化率と24週目の血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率は右のスライドのとおりでした。
24週目の血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率は、G1群100%(10/10例)、G2群92%(36/39例)、G3a群69%(11/16例)、G3b群89%(16/18例)、G4群54%(7/13例)でし10)

副次評価項目(参考情報)、サブグループ解析

ベースラインと24週目の腎機能関連パラメータ及びその変化量(eGFR区分G1~G4別)
説明画像17

eGFR区分G1~G4別にみたベースラインと24週目のeGFR、尿蛋白/クレアチニン比、尿アルブミン/クレアチニン比及び24週目までの変化量は、右のスライドのとおりでし10)

安全性評価項目

ユリス関連有害事象、肝機能、尿pH、随時血糖値及びHbA1cの変化
説明画像18

ユリスとの因果関係が疑われる有害事象は、G2群で3例(8%)、G3b群で1例(5%)に認められました。その内訳は、G2群で関節炎、痛風関節炎、創傷が各1例、G3b群で痛風が1例でし10)
その他、肝機能(ALT、AST、γ-GTP)や尿pH、随時血糖値及びHbA1cの変化については、右のスライドをご参照ください。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意(一部抜粋)
9.2 腎機能障害患者 9.2.1 重度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)

他剤での治療を考慮すること。本剤は腎近位尿細管において作用するため、腎機能障害の程度に応じて、有効性が減弱する可能性がある。特に、乏尿又は無尿の患者においては、有効性が期待できないことから、本剤の投与は避けること。
なお、臨床試験では、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者は除外されている。

まとめ

  • CKD診療ガイドにおいて、CKDは世界的に大きく注目されている疾患であることが記されています。

  • CKDは、尿酸排泄の低下から高尿酸血症をもたらしうると考えられています。

  • ユリス開発時の後期第Ⅱ相試験(用量反応性試験)において、血清尿酸値低下作用及び安全性が検討されました。

  • 実臨床下においてeGFR区分G1~G4の高尿酸血症患者に対するユリスの有効性及び安全性を検討した試験では、24週目の血清尿酸値低下率においてG1/G2群とG3/G4群との間に非劣性が認められました(投与群間の平均値の差:−4.3%[両側95%信頼区間:−9.5%~0.9%]であり、両側95%信頼区間の下限が非劣性マージン(−10%)を超えたことから、非劣性が認められたと判断されました)(探索的な解析結果)。
    ユリスとの因果関係が疑われる有害事象は、G2群で3例(8%)、G3b群で1例(5%)に認められました。その内訳は、G2群で関節炎、痛風関節炎、創傷が各1例、G3b群で痛風が1例でした。

1)日本腎臓学会編 CKD診療ガイド2024 東京医学社 2024:iv

2)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018:95-8

3)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018:78-80

4)Yano H, et al. Clin Exp Nephrol 2014;18:50-5

5)Bhatnagar V, et al. Clin Kidney J 2016;9:444-53

6)社内資料:ヒトABCG2、OAT1及びOAT3発現細胞を用いた尿酸取り込み阻害試験(CTD 2.6.2.2)

7)Taniguchi T, et al. J Pharmacol Exp Ther 2019;371:162-70

8)社内資料:用量反応検証試験・後期第Ⅱ相臨床試験[2020年1月23日承認、CTD 2.7.6.14、CSR FYU-981-006(資料5.3.5.1-2)]〔承認時評価資料〕

9)Hosoya T, et al. Clin Exp Nephrol 2020;24:S53-61

10)Tanabe K, et al. Kidney Int Rep 2025;10:1711-20

11)Tanabe K, et al. Kidney Int Rep 2025;10:1711-20(Supplemental Material)

2025年9月作成

18003-1/N6 52 GT

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