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ユリス®錠 Pick Up

2024年11月19日公開(2025年03月18日一部改訂)

痛風発作・血清尿酸値の関係とユリスの血清尿酸値低下作用 痛風発作・血清尿酸値の関係とユリスの血清尿酸値低下作用

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高尿酸血症とCKD発症リスクの関係について教えてください。

説明画像1

腎障害のリスクとしての高尿酸血症について、「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」では、一般集団において血清尿酸値高値が慢性腎臓病の発症と関連していることや、慢性腎臓病患者において血清尿酸値高値が腎障害進展に関連している旨が紹介されていま1)

説明画像2

生活習慣の乱れが肥満からインスリン抵抗性、腎障害を含む生活習慣病へと繋がり、最終的には臓器障害に至るという、いわゆる「メタボリックドミノ」の概念が知られていま2)
高尿酸血症はメタボリックドミノの下流に位置する疾患と考えられていますが、高尿酸血症を中心にみると、メタボリックドミノを再形成する新たな起点となっている可能性も考えられていま3, 4)

説明画像3

実際に血清尿酸値と腎機能障害発症のリスクの関係を検討した、久山町研究の結果では、血清尿酸値が高値になるに従い、CKDや腎機能障害の発症リスクが高まる可能性が示唆されていま5)

CKDが高尿酸血症の病態に影響を及ぼすメカニズムは?

CKDと高尿酸血症の関係を考えるうえで、ポイントの1つとしてトランスポーターABCG2が挙げられます。

高尿酸血症の病型は、腎臓における尿酸の排泄効率が低下した状態の「尿酸排泄低下型」、尿酸の産生量が増加した状態の「尿酸産生過剰型」、そして「混合型」に分類されていました。しかし、2018年に発行された高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版において、高尿酸血症の新たな病型として、主にトランスポーターABCG2の機能が低下した「腎外排泄低下型」が提唱されていま6)

説明画像4
説明画像3

腎機能とABCG2の関係を検討した5/6腎摘出CKDモデルラットを用いた非臨床試験の結果、腎機能が低下すると回腸においてABCG2のmRNA発現量が増加する可能性が示されまし7)
CKD患者では、腎機能正常者に比べてABCG2による腸管からの排泄が尿酸コントロールに補完的な役割を果たしている可能性が示されていま8)

ユリスの作用メカニズムは?

説明画像6

ユリスはURAT1選択性が高く、ABCG2、OAT1、OAT3を介した尿酸分泌経路は阻害せず、URAT1を介した再吸収経路を阻害する選択的尿酸再吸収阻害薬、SURIで9,10)

ユリスの腎機能別の臨床効果は?

eGFRの区分別にユリスの血清尿酸値低下作用を検討した、国内第相及び第相二重盲検試験の併合解析の部分集団解析の結果をご紹介します。

「禁忌を含む注意事項等情報」等は電子添文をご参照ください。

併合解析は一部承認外の用法及び用量による成績が含まれますが、承認時に評価された資料であるため掲載します。

相及び第相二重盲検試験の
併合解析による
患者背景別血清尿酸値低下作用
(部分集団解析)

11)社内資料 : 第相及び第相二重盲検試験の併合解析による血清尿酸値低下作用(2020年1月23日承認、CTD 2.7.3.3.2)〔承認時評価資料〕

12)社内資料 : 第相及び第相二重盲検試験の併合解析による患者背景別血清尿酸値低下作用(部分集団解析)
(2020年1月23日承認、CTD 2.7.3.3.3)〔承認時評価資料〕

13)社内資料 : 臨床試験(二重盲検試験の併合)の有害事象の解析(2020年1月23日承認、CTD 2. 7. 4. 2. 1)〔承認時評価資料〕
[利益相反]本研究は株式会社富士薬品の資金により行われた。本論文の著者のうち4名は株式会社富士薬品の社員である。
著者には、本研究に関する株式会社富士薬品のアドバイザーでありコンサルタント料等を受領している者が含まれる。

説明画像10

ユリスの承認時までに実施した4つの第相及び第相二重盲検試験を併合し、全体解析とともに、ユリス投与前のeGFR区分別(①<60mL/min/1.73m2、②≧60、<90mL/min/1.73m2、③≧90mL/min/1.73m2)に血清尿酸値低下率を評価しまし11-13)

なお本解析では、CKDステージG3bの指標である、eGFR≧30mL/min/1.73m2の高尿酸血症患者を対象としています。

血清尿酸値低下作用(FAS解析対象、LOCF)
説明画像11

全体解析の結果、投与終了時の血清尿酸値低下率(平均値±標準偏差)は、プラセボ群でー1.63±10.70%、ユリス0.5mg群で21.81±11.35%、1mg群で34.84±9.59%、2mg群で44.23±12.09%、4mg群で62.22±8.48%、ベンズブロマロン群で43.87±11.84%、フェブキソスタット群で44.00±10.63%でし11)

eGFR区分別血清尿酸値低下作用(FAS解析対象、部分集団解析、LOCF)
説明画像12

ユリスによる投与前eGFR区分別の血清尿酸値低下率(平均値±標準偏差)はスライドのとおりで、プラセボ群では−2.34%~0.73%(平均値、以降同様)、0.5mg群では19.01%~24.62%、1mg群では26.86%~36.46%、2mg群では37.03%~45.13%、4mg群では61.67%~68.47%でし12)

安全性
説明画像13

副作用発現率は、プラセボ群で15.3%(9/59例)、本剤投与群で16.6%(70/422例)、ベンズブロマロン群で15.2%(15/99例)、フェブキソスタット群で19.8%(20/101例)でし13)
その他、本試験の詳細な安全性の成績はスライドをご覧ください。

6. 用法及び用量
通常、成人にはドチヌラドとして1日0.5mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回2mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回4mgとする。

CKD患者に対する影響を検討した
ユリスの実臨床データはありますか?

やまき内科クリニック及び帝京ちば総合医療センターからの報告を紹介しま14, 15)

やまき内科クリニックからの報14)

14)山木万里郎ほか : Ther Res 2022 ; 43 : 851-8[利益相反]著者には、持田製薬株式会社より講演料を受領している者が含まれる。

説明画像6

CKDステージG4/5合併の高尿酸血症患者を対象とした、やまき内科クリニックによる単施設後ろ向き観察研究です。ユリスを24ヵ月間投与した時の血清尿酸値と腎機能への影響と安全性を検討しました。
本試験の試験概要はスライドのとおりで、eGFRが30未満の高尿酸血症患者で、ユリスを投与していた10例について、ユリス投与後の血清尿酸値とeGFRを後ろ向きに検討しました。

血清尿酸値の推移
説明画像13

ユリス投与前に比べて投与6ヵ月後では有意差が認められなかったものの、投与12ヵ月後、24ヵ月後では有意に低下しました(名目上のp<0.05 vs. ユリス投与前、Wilcoxonの符号付き順位和検定)。

[参考情報]eGFRの推移
説明画像13

ユリス投与前に比べて投与6ヵ月後において有意に低下しましたが(名目上のp=0.022 vs. ユリス投与前、Wilcoxonの符号付き順位和検定)、投与12ヵ月後、24ヵ月後までの最終値では有意差が認められませんでした。[名目上のp=0.265(ユリス投与12ヵ月後)、0.060(投与24ヵ月後までの最終値) vs. 投与前、Wilcoxonの符号付順位和検定]。

安全性

本論文中に副作用に関する記載はありませんでした。
ユリスの安全性情報は、電子添文をご参照ください。

【特定の背景を有する患者に関する注意】(一部抜粋)
9.2 腎機能障害患者 9.2.1 重度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)
他剤での治療を考慮すること。本剤は腎近位尿細管において作用するため、腎機能障害の程度に応じて、有効性が減弱する可能性がある。特に、乏尿又は無尿の患者においては、有効性が期待できないことから、本剤の投与は避けること。
なお、臨床試験では、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者は除外されている。

帝京大学ちば総合医療センターからの報告

15)Amano H, et al. BMC Nephrol 2024 ; 25 : 97

説明画像6
説明画像6

単施設単群後ろ向き観察研究である本試験では、CKD合併高尿酸血患者35例を対象に、尿酸降下薬を投与していない3ヵ月間の観察期間の後、ユリスを3ヵ月間投与しまし15)

その他、試験概要の詳細は右のスライドをご参照ください。

※高尿酸血症の定義 : 「血清尿酸値>7mg/dL」かつ/または「痛風の症状あり」

ユリス投与開始前後の血清尿酸値の変化
説明画像13

ユリス投与前後の血清尿酸値(平均値±標準偏差)は投与前8.1±1.7mg/dL、投与後6.7±0.99mg/dLであり、有意差が認められました(名目上のp<0.001、paired Student’s t-test)15)

[参考情報]ユリス投与開始前後の血清クレアチニン、尿蛋白、尿酸排泄率の変化
説明画像13

ユリス投与前後の血清クレアチニン、尿蛋白、尿酸排泄率は右のスライドのとおりでし15)

[参考情報]試験期間中のeGFR推移
説明画像13

本試験期間中のeGFR推移は右のスライドのとおりでし15)eGFR変化量(平均値±標準偏差)は、ユリス投与開始3ヵ月前からベースラインではー3.7±5.6mL/min/1.73m2、ベースラインからユリス投与開始3ヵ月後では+4.7±9.5mL/min/1.73m2で、有意差が認められました(名目上のp<0.001、paired Student’s-test)15)

[参考情報]ユリス投与後ΔeGFRと血清尿酸値低下量の関連
説明画像13

ユリス投与後のeGFR変化量と血清尿酸値低下量の相関係数は0.375でした(名目上のp=0.0263、Pearson’s correlation test)15)

安全性
説明画像13
説明画像13

試験期間中にユリスの有害事象は報告されませんでした。ユリスの安全性情報は電子添文をご参照くださ15)

7. 用法及び用量に関連する注意
尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発されることがあるので、本剤の投与は0.5mg1日1回から開始し、投与開始から2週間以降に1mg1日1回、投与開始から6週間以降に2mg1日1回投与とするなど、徐々に増量すること。なお、増量後は経過を十分に観察すること。

まとめ

  • 血清尿酸値が高値になるに従い、腎機能障害の発症リスクが高まる可能性が報告されていま5)
  • CKD患者では、腎機能正常者に比べてABCG2による腸管からの排泄が尿酸コントロールに補完的な役割を果たしている可能性が示されていま8)
  • 腎機能に関連するユリスの有効性に関する報告として、開発時に行われた、国内第相及び第相二重盲検試験の併合解析の部分集団解11-13)や、発売後にやまき内科クリニック及び帝京ちば総合医療センターで行われた、CKD患者におけるユリスの血清尿酸値低下作用に関する解析結果の報告がありま14, 15)

1)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018 : 78-80

2)Katsuya T, et al. Hypertens Res 2010 ; 33 : 529-30

3)久留一郎 : 診断と治療 2022 ; 110 : 813-8

4)伊藤裕 : 日本臨牀 2003 ; 61 : 1837-43

5)Takae K, et al. Circ J 2016 ; 80 : 1857-62

6)日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版 診断と治療社 2018 : 95-8

7)Yano H, et al. Clin Exp Nephrol 2014 ; 18 : 50-5

8)Bhatnagar V, et al. Clin Kidney J 2016 ; 9 : 444-53

9)社内資料 : ヒトABCG2、OAT1及びOAT3発現細胞を用いた尿酸取り込み阻害試験(CTD 2.6.2.2)

10)Taniguchi T, et al. J Pharmacol Exp Ther 2019 ; 371 : 162-70

11)社内資料 : 第相及び第相二重盲検試験の併合解析による血清尿酸値低下作用(2020年1月23日承認、CTD 2.7.3.3.2)〔承認時評価資料〕

12)社内資料 : 第相及び第相二重盲検試験の併合解析による患者背景別血清尿酸値低下作用(部分集団解析)
(2020年1月23日承認、CTD 2.7.3.3.3)〔承認時評価資料〕

13)社内資料 : 臨床試験(二重盲検試験の併合)の有害事象の解析(2020年1月23日承認、CTD 2. 7. 4. 2. 1)〔承認時評価資料〕

14)山木万里郎ほか : Ther Res 2022 ; 43 : 851-8

15)Amano H, et al. BMC Nephrol 2024 ; 25 : 97

2025年03月作成

17588-2/N6 52 GT

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