東京女子医科大学編 Q5 | 持田製薬株式会社

心電図クイズ

東京女子医科大学編

増悪する胸痛を主訴に受診した男性

難易度

出題：

東京女子医科大学循環器内科准講師　
春木伸太郎 先生

症　例: 67歳，男性
主　訴: 胸痛
現病歴: 高血圧症と脂質異常症のため薬物治療中だった。3週間ほど前から早足での歩行中に左前胸部の違和感が出現するようになったが，安静により自然軽快していた。1週間ほど前の朝に，自宅での安静時に10分程度胸痛が出現したため近隣クリニックを受診。ニトログリセリンの舌下錠を処方され，当院受診を勧められた。受診前日には自宅内での軽労作による胸痛が2回出現し，2回目の胸痛時にニトログリセリン舌下錠を使用したところ，5分程度で症状は消失した。当院外来受診時には症状を認めなかった。来院時の12誘導心電図を図1に示す。
既往歴: 高血圧症，脂質異常症
生活歴: 喫煙歴なし
家族歴: 特記事項なし
内服薬: カルベジロール20mg/日，ロスバスタチン5mg/日
身体所見: 血圧136/88mmHg，脈拍78回/分・整
胸部聴診: Ⅲ音，Ⅳ音なし，心雑音なし，呼吸音正常
血液検査: WBC 4,740/μL，Hb 14.8g/dL，Plt 17.1×10⁴/μL，BUN 21.4mg/dL，Cre 0.84mg/dL，AST 21IU/L，ALT 19IU/L，
CK 68U/L，CK-MB ＜4U/L，Na 140mEq/L，K 4.0mEq/L，Cl 106mEq/L，LDL-C 82mg/dL，HDL-C 52mg/dL，TG 76mg/dL，
BNP 13.3pg/mL，トロポニンI 6.2pg/mL（正常26.2pg/mL未満）
心エコー図検査: 左室拡張末期径50mm，左室収縮末期径38mm，左室駆出率58%，有意な弁膜症は認めず，心尖部にごく軽度の局所壁運動異常を認める。