- 医療関係者向けホーム
- 医療関連情報
- 内視鏡クイズ
- 鑑別編
- 自治医科大学編 Q1


鑑別編
内視鏡像を基に診断してみよう
自治医科大学編
高度の鉄欠乏性貧血と低アルブミン血症を認める患者さんの
診断名は?
難易度:★★☆
【監修】
自治医科大学 内科学講座 消化器内科学部門 教授 矢野 智則 先生
【出題・写真提供】
自治医科大学 富士フイルムメディカル国際光学医療講座 教授 坂本 博次 先生
28歳 女性
- 8歳頃より貧血を指摘。
- 26歳時に高度の鉄欠乏性貧血のため、EGD(上部消化管内視鏡)とCS(大腸内視鏡)が施行されるが、異常所見を認めなかった。 食後腹満感や低アルブミン血症も認めるようになったため、前医で小腸二重造影が施行されたところ、回腸に多発狭窄を認めた。 小腸精査のため当院を紹介受診。小腸内視鏡検査も行うこととした。
● 小腸内視鏡検査


- 既往歴
- :なし
- 家族歴
- :両親いとこ婚
- 使用薬剤
- :なし
- 排便回数
- :1日1回、普通便
- 体温
- :36.7℃
- 脈拍数
- :70/分
- 血液検査
- :Hb 7.3g/dL
MCV 63fL
CRP 0.11mg/dL
赤沈 22mm/h
血清鉄 15μg/dL
TP 5.2g/dL
Alb 2.7g/dL
非特異性多発性小腸潰瘍症


解説
回腸に、輪走ないし斜走する辺縁が明瞭で比較的浅い潰瘍が多発しており、狭窄を伴っている。
下痢や発熱は認めず、長期間鉄欠乏性貧血を認めていること、両親がいとこ婚であることより、こちらの患者さんは「非特異性多発性小腸潰瘍症」と考えられた。