熊本大学大学院編 Q7 | 持田製薬株式会社

心電図クイズ

熊本大学大学院編

胸部違和感を訴えた60歳女性

難易度

出題：

熊本大学病院循環器内科中央検査部助教　
宇宿弘輝 先生

症　例: 60歳，女性
主　訴: 胸部違和感
現病歴: 甲状腺機能低下症，関節リウマチのため通院中であった。これまでに胸部症状の自覚なし。早朝通勤時，軽く走った際に胸部違和感を覚え，症状が持続するため近医を受診。心電図異常を認めたため，当院救急外来に搬送となった。来院時の12誘導心電図を図1に示す。なお，最近は認知症の親の介護などストレスの多い生活が続いていた。
既往歴: 甲状腺機能低下症，関節リウマチ
家族歴: 心房細動（息子）
主な内服薬: レボチロキシンナトリウム50μg/日（奇数日），75μg/日（偶数日），メトトレキサート6mg/日，プレドニゾロン4mg/日，アレンドロン酸35mg/週，葉酸20mg/日，イルソグラジンマレイン酸4mg/日
身体所見: 身長157.5cm，体重47.4kg，BMI 19.1，血圧135/83mmHg，脈拍89回/分・整
胸部聴診: Ⅲ音，Ⅳ音なし，心雑音なし，呼吸音正常
血液検査: WBC 4,700/μL，Hb 14.3g/dL，Plt 21.7x10⁴/μL，Cre 0.94mg/dL，AST 19IU/L，ALT 18IU/L，LDH 184IU/L，CK 76U/L，CK-MB 17U/L，Na 141mEq/L，K 3.3mEq/L，Cl 105mEq/L，BNP＜5.8pg/mL，hs-TnT 0.0113ng/mL
心エコー図検査: 左室拡張末期径39.5mm，左室収縮末期径22.7mm，左室駆出率61.7%，左室壁運動は心尖部に限局し低下。心基部は過収縮。明らかな弁膜症症状は認められず。