- 医療関係者向けホーム
- 消化器領域
- オンボー®
- Clinical Study「維持期」に対する効果 試験の概要
Clinical Study「維持期」に対する効果
「維持期」に対する効果
第Ⅲ相無作為化比較試験:LUCENT-2(AMBG)試験(国際共同試験)1)
- 1)社内資料:潰瘍性大腸炎患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(AMBG試験、LUCENT-2:維持療法)(承認時評価資料)
試験の概要
「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等については電子添文をご参照ください。
試験デザイン
多施設共同注1)、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較検証試験験
- 注1)368施設(34ヵ国)
- 注2)12週以降及び28週以前の効果減弱。効果減弱は以下の2条件の両方を満たすものと定義した。
- ・連続した2回の来院(7日以上間隔を空ける)で、C. difficile検査陰性が確認され、排便回数サブスコアと直腸出血サブスコアの合計が4以上かつLUCENT-2試験のベースラインから2ポイント以上増加
- ・12週以降28週までに中央測定機関の読影により内視鏡所見サブスコアが2又は3と確認される
- 注3)LUCENT-1試験で盲検下でオンボー®又はプラセボ投与を受けて臨床的改善を達成した患者
- 注4)LUCENT-1試験で盲検下でオンボー®又はプラセボ投与を受けて臨床的改善を達成しなかった患者
- ※LUCENT-2試験では、LUCENT-1試験でプラセボ投与を受けて臨床的改善を達成した患者(プラセボ導入レスポンダー)に対する盲検下でのプラセボ投与(4週間隔で皮下投与)、LUCENT-1試験でオンボー®又はプラセボ投与を受けて臨床的改善を達成しなかった患者(導入ノンレスポンダー)に対する継続導入投与、及びオンボー®維持投与中に効果減弱が確認された患者に対する再導入投与も行ったが、試験成績は示していない。
目的
LUCENT-1試験でオンボー®の寛解導入投与を受けて臨床的改善注5)を達成した患者を対象として、本試験の40週(LUCENT-1試験での寛解導入投与を含めると52週)時点でオンボー®がプラセボより臨床的寛解の達成で優れているという仮説を検証する。
- 注5)MMSのベースライン(LUCENT-1試験のベースライン)からの2ポイント以上かつ30%以上の低下、かつ直腸出血サブスコアのベースラインからの1ポイント以上の低下、もしくは直腸出血サブスコア0又は1
対象
中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象としたオンボー®点滴静注製剤の寛解導入試験(LUCENT-1試験)を完了した潰瘍性大腸炎患者1177例(日本人123例を含む)
このうちmITT解析対象集団注6)に含まれた寛解導入試験でオンボー®の投与を受けて臨床的改善を達成した潰瘍性大腸炎患者注7)は544例(日本人72例を含む)
- 注6)無作為割付されて治験薬の投与を1回以上受けたすべての患者(患者が正しい投与を受けたか、又は治験実施計画書を遵守したかを問わない)。ポーランド及びトルコで発生したeCOAエラーの影響を受けた患者は除外した。
- 注7)LUCENT-1試験で治験薬を少なくとも1回投与され、試験を完了した患者、LUCENT-1試験の完了時に必要なすべてのMMS評価を有する患者
投与方法
患者を生物学的製剤に対する治療反応性不良の状況(あり/なし)、寛解導入投与による臨床的寛解の状況、ベースラインのステロイド系薬剤の使用(あり/なし)、ベースラインの疾患活動性(MMS 4~6/7~9)、及び地域(北米/欧州/その他)に基づいて層別化し、オンボー®皮下注200mg群又はプラセボ群に2:1の比で無作為に割り付け、オンボー®皮下注200mg又はプラセボを4週間隔で40週間(LUCENT-1試験での寛解導入を含め投与開始から52週経過)皮下投与した。
評価項目
有効性
<主要評価項目:検証項目>
- 40週時点で臨床的寛解を達成した患者の割合注8)
<重要な副次評価項目>
- 40週時点で代替臨床的寛解を達成した患者の割合注8)
- 40週時点で内視鏡的改善を達成した患者の割合注8)
- 40週時点で好中球浸潤を伴わない粘膜の組織学的及び内視鏡的改善を達成した患者の割合注8)
- 40週時点の便意切迫感に関するNRSスコア注9)のベースラインからの変化量注8)
- 40週時点で外科手術なしのステロイドフリー寛解を達成した患者の割合注8)
- LUCENT-1試験のベースラインで便意切迫感に関するNRSスコア注9)が3以上の患者における40週時点で便意切迫感に関するNRSスコア0又は1を達成した患者の割合注8)(サブグループ解析)
- LUCENT-1試験でオンボー®の寛解導入投与を受けて12週時点で臨床的寛解を達成した患者における40週
- 時点で臨床的寛解を達成した患者の割合(サブグループ解析)
<その他の副次評価項目>
- 0週から40週の各来院時の症候的寛解を達成した患者の割合注8)
- 40週以外の時点の便意切迫感に関するNRSスコア注9)のベースラインからの変化量注8)
- LUCENT-1試験のベースラインで便意切迫感に関するNRSスコア注9)が3以上の患者における40週時点で便意切迫感に関するNRSスコアがベースラインから3ポイント以上改善した患者の割合注8)(サブグループ解析)
など
薬物動態
血清中ミリキズマブ濃度
安全性
有害事象、免疫原性 など
- 注8)LUCENT-1試験でオンボー®の寛解導入投与を受けて臨床的改善を達成した患者を対象に評価した
- 注9)過去24時間における患者の排便に対する切迫感(突然又は即時の必要性)の重症度を0(便意切迫感なし)から10(考えられる最も悪い便意切迫感)の11ポイントの範囲で評価する患者報告アウトカムで、連日電子日誌に記録された7日間のデータを平均して算出
ベースラインはLUCENT-1試験のベースライン測定値を使用した
- MMSとMayoスコア:Mayoスコアは潰瘍性大腸炎の重症度を評価するための臨床的及び内視鏡的指標を組み合わせたもの。4つのサブスコア(排便回数サブスコア、直腸出血サブスコア、内視鏡所見サブスコア、医師による全般的評価)で構成される。各サブスコアは0~3の範囲であり、Mayoスコアの合計は0~12の範囲となる。MMSは、排便回数サブスコア、直腸出血サブスコア、及び内視鏡所見サブスコアを合計して算出され、0~9の範囲となる。
- Geboesスコア:組織学的活動性評価の指標。
解析計画
有効性の解析はmITT解析対象集団注10)、安全性の解析は安全性解析対象集団注11)を対象として実施した。主要評価項目及び重要な副次評価項目では、事前に規定したグラフィカルアプローチによる多重検定法を用いて、両側有意水準0.05で全体の第1種の過誤の確率を制御し、両側95%信頼区間を示した。
主要評価項目などの二値変数の有効性評価項目の解析では、CMH検定を実施した。CMH検定では、生物学的製剤に対する治療反応性不良の状況(あり/なし)、LUCENT-1試験のベースラインのステロイド系薬剤の使用(あり/なし)、地域(北米/欧州/その他)、寛解導入投与による臨床的寛解の状況(あり/なし)を共変量の調整因子とした。便意切迫感に関するNRSスコアのベースラインからの変化量などの連続量は、事前に規定された時点を含む繰り返し測定値に関するMMRMを用いて解析した。MMRMでは、投与群、ベースライン値、時期、ベースライン値と時期の交互作用、投与群と時期の交互作用、及びCMH検定で使用した因子と同じ共変量をモデルに含めた。
欠測データは、二値変数の有効性評価項目の解析ではNRI法で補完した。患者が臨床的改善の基準を満たしていない場合、評価時点で臨床的改善データが欠測している場合、又は評価時点より前にオンボー®をレスキュー投与した場合、その患者をノンレスポンダーとみなした。連続量では、ランダムな欠測を仮定したMMRMを主要解析に用いた。レスキュー投与後に収集されたデータは、主要解析では打切りとした。
二値変数の有効性評価項目の投与群比較は、共通リスク差(群間差)の推定値を使用し、両側信頼区間も記載した。連続量の有効性評価項目の投与群比較は、MMRMを使用した。投与群間の統計的比較には、最小二乗平均値のType Ⅲ平方和を用いた。特に規定しない限り、最小二乗平均値の差、標準誤差、p値、及び95%信頼区間を記載した。
なお、有効性評価項目について、サブグループ解析注12)を行うことを事前に規定した。
その他の副次評価項目である症候的寛解を達成した患者の割合の評価期間は、0週から40週まで4週ごとの来院時とした。
免疫原性がミリキズマブの有効性、安全性及び薬物動態へ及ぼす影響を評価した。
- 注10)無作為割付されて治験薬の投与を1回以上受けたすべての患者(患者が正しい投与を受けたか、又は治験実施計画書を遵守したかを問わない)。ポーランド及びトルコで発生したeCOAエラーの影響を受けた患者は除外した。
- 注11)LUCENT-1試験において、盲検下でオンボー®寛解導入投与を受けて臨床的改善を達成した患者を対象とした解析セット
- 注12)以下の部分集団で解析を実施
・日本人
・生物学的製剤及びJAK阻害薬の使用歴がない患者(BIO・JAK naive)
・1種類以上の生物学的製剤又はJAK阻害薬に対する治療反応が不良な患者(BIO・JAK failure)
・LUCENT-1試験でオンボー®の寛解導入投与を受けて臨床的寛解を達成した患者
・LUCENT-1試験のベースラインで便意切迫感に関するNRSスコアが3以上の患者