Clinical StudyJELIS
一次予防症例サブグループ解析
- 目的:JELIS一次予防症例においてLDLコレステロール以外の危険因子に注目し、EPAによる冠動脈疾患発症に及ぼす影響を検討する。
- 対象:JELIS 登録の日本人高脂血症患者のうち、冠動脈疾患既往のない14,981例(対照群7,478例、EPA群7,503例)[高TG・低HDL-C症例957例(対照群475例、EPA群482例)を含む]
高TG・低HDL-C群における血清脂質の変化率(その他の評価項目)
- 【結果】高TG・低HDL-C症例における血清TG値の変化率は、対照群18%に対しEPA群23%であり、有意差が認められた(p=0.012、名目上のp値、Wilcoxon検定)。
<参考情報>高TG・低HDL-C群における冠動脈イベントの累積発症率に及ぼす影響(主要評価項目)
- 【結果】高TG・低HDL-C症例における冠動脈イベント累積発症率は、EPA群で対照群と比べて有意に低く(p=0.043、名目上のp値、log-rank検定)、発症リスクは53%低下した(Cox比例ハザードモデル)。
- Saito Y. et al. Atherosclerosis 2008 ; 200 :135-140
- [利益相反]持田製薬株式会社が助成金により支援。
二次予防症例サブグループ解析
- 目的:JELIS二次予防症例において、EPA投与が冠動脈疾患の二次予防に有効かを解析し、EPA/AA比の変化と冠動脈疾患発症の関連性について検討する。
- 対象:JELIS 登録の日本人高脂血症患者のうち、冠動脈疾患既往例3,664例(対照群1,841例、EPA群1,823例)[心筋梗塞・冠動脈インターベンション施行537例(対照群247例、EPA群290例)を含む]
二次予防症例における血清脂質の変化率(その他の評価項目)
- 【結果】二次予防症例における血清TG値の変化率は、対照群6%に対しEPA群11%であり、有意差が認められた(p=0.003、名目上のp値、Wilcoxon検定)。
<参考情報>二次予防症例における冠動脈イベントの累積発症率に及ぼす影響(主要評価項目)
- 【結果】二次予防症例における冠動脈イベント累積発症率は、EPA群で対照群と比べて有意に低く(p=0.017、名目上のp値、log-rank検定)、発症リスクは23%低下した(Cox比例ハザードモデル)。
<参考情報>心筋梗塞既往・インターベンション施行例における冠動脈イベントの累積発症率に及ぼす影響(主要評価項目)
- 【結果】心筋梗塞既往・インターベンション施行例における冠動脈イベント累積発症率は、EPA群で対照群と比べて有意に低く(p=0.008、名目上のp値、log-rank検定)、発症リスクは41%低下した(Cox比例ハザードモデル)。
- Matsuzaki M. et al. : Circ J 2009 ; 73 : 1283-1290
- [利益相反]持田製薬株式会社が助成金により支援。
脳卒中イベントサブグループ解析
- 目的:JELIS症例における脳卒中イベントの発症にEPAが有効であるかを検討した。
- 対象:JELIS登録の日本人高脂血症患者のうち、脳卒中既往患者942例(対照群457例、EPA群485例)
脳卒中既往例における血清脂質の変化率(その他の評価項目)
- 【結果】脳卒中既往例における血清TG値の変化率は、対照群4.4%に対しEPA群12.9%であり、有意差が認められた(p<0.001、名目上のp値、Wilcoxon検定)。
- Tanaka, K et al. Stroke 2008; 2052-2058
- 【利益相反】著者には持田製薬株式会社から旅費を受領した者が含まれた。