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作用機序
トレプロスチニルの主な薬理学的作用は、肺及び全身の動脈血管床に対する直接的な血管拡張作用と、血小板凝集抑制作用である。
効力を裏付ける試験では、動物(イヌ)において、本剤の血管拡張作用によると考えられる右心室及び左心室の後負荷減少、心拍出量及び一回拍出量の増加が確認された。また、肺動脈性肺高血圧症の形成と進展には肺動脈微小血栓の関与が示唆されている1)が、本剤を動物に持続静脈内投与(ウサギ)あるいは皮下投与(ラット)することにより、血小板凝集の抑制が確認された。
さらに、肺高血圧症動物モデル(ネコ、ブタ)において、本剤が低酸素負荷による肺動脈圧及び肺血管抵抗の上昇を抑制することが確認された。なお、トレプロスチニルの肺動脈平滑筋細胞の増殖抑制作用が、肺動脈のリモデリング(器質的変化)を抑制し、肺動脈性肺高血圧症の治療効果に寄与している可能性が示唆2)されている。したがって、本剤は、肺動脈性肺高血圧症に対し、血管拡張作用だけでなく、血小板凝集抑制作用、平滑筋細胞の増殖抑制作用といった複数の作用機序を介して病態を改善することが期待される。
- 1)2005年度合同研究班. 肺高血圧症治療ガイドライン(2006年改訂版)
入手先URL:http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_nakano_h.pdf - 2)Clapp, L.H. et al:Am J Respir Cell Mol Biol 26, 194-201(2002)[利益相反:本試験はUnited Therapeutics社の支援により実施]