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痛風列伝 vol.5
痛風を温泉で癒した
文豪ゲーテ
痛風の温泉療法は、飲用と浴用の2種類
痛風の治療方法で、一般的に頭に浮かぶのは、食事療法や運動療法、薬物療法などですが、実は、温泉療法も痛風に対する効果を期待して行われることがあります。痛風の温泉療法には飲用と浴用の2種類があり、それぞれ痛風を適応症とする泉質の療養泉により行われます。
温泉療法というと日本人ばかりが用いているのではないかと思いがちですが、そんなことはありません。ドイツの代表的な文豪であるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、痛風治療のためにたびたび温泉を訪れていました。
気に入っていたのはプラハの温泉
ちなみにゲーテが特に気に入っていたのは、チェコの首都であるプラハの北から西にかけたところに位置するカルロヴィ・ヴァリ、ドイツ語読みでカールスバートの温泉でした。
2つの川の合わさる窪地にあって12の源泉を持ち、中でもフジ-ドロ泉は、なんと72度の高温で毎分2千リットルの噴出量を誇り、14世紀の昔、神聖ローマ皇帝カール4世のお墨つきで生まれたので別名「カールの湯」と名づけられたと言います。
湯治場でドイツ最大の恋愛詩が誕生
記録によると、ゲーテがカールスバートを初めて訪れたのは36歳のときで、以降、足しげく通ったそうです。
ゲーテが74歳にして55歳も年下の19歳のウルリーケに恋をし、プロポーズするも失恋に終わってしまった話は有名ですが、その主な舞台は、カールスバートとそこに隣接する、やはり名湯のマリーエンバートでした。
その経験をもとに傷心のゲーテは、ドイツ最大の恋愛詩と称される『マリーエンバートの悲歌』を書きます。ゲーテにとっては悲劇だったでしょうが、湯治場で始まって終わった恋が名作を生み出したとすると、これもまた温泉の効用と言っていいのかもしれません。
