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「連載クイズ」今こそ統計を正しく理解する

獨協医科大学埼玉医療センター 麻酔科 教授浅井 隆

2024年6月11日公開
9

標準偏差を活用しよう!

医局の勉強会において、新たに開発された婦人科手術の導入が適切か否かの検討がされました。その新たな手術法の有用性を決める主な判定基準として、ほぼすべての症例において、手術時間が120分未満で、出血量が200g未満であること、としました。そして、その新たな方法を用いた婦人科手術を200名の患者において施行した成績がまとめられた論文を基に判定することにしました。その報告の主な結果は表の通りでした。
この報告結果を基にした専門医の見解は次の通りでした。

専門医A専門医Bの見解、どちらが正しいでしょうか?
専門医A

報告の手術時間および出血量は、平均の値がいずれも判定基準値(120分と200g)未満となっていますが、最高値が示されていないため、何症例かではこれらの基準値以上の値であった可能性があります。そのため、この論文からは有用性の判定はできないと思います。

専門医B

平均とともに示されている標準偏差を見れば、ほぼすべての症例において、手術時間が120分未満で、出血量が200g未満であった、と判定してよいと思います。

2024年6月作成
17377-1/B3 PI
1
P値の解釈、
正しいのはどちら?
2
データのばらつき:
標準偏差?標準誤差?
3
相関係数の
落とし穴?
4
感度と特異度の
正しい解釈は?
5
オッズ比を適切に
解釈しよう!
6
NNTを確実に
解釈しよう!
7
平均と中央値、
どちらを使うべき?
8
有意差の
解釈
9
標準偏差を
活用しよう!
10
“有意差あり”を
適切に解釈しよう!
11
相関の解釈
正しい?
12
器具の性能比較の
解釈法
13
平均年齢の示し方、
どちらが正確?
14
比較研究での
背景因子への検定
15
信頼区間を
活用しよう!
第15回 
coming soon
16
“臨床的に意味のある差”が
あるかどうかで判定しよう!
第16回 
coming soon
2分を目安に解答!